【鉄印帳の旅】信楽高原鐵道
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貴生川(きぶかわ)駅と信楽(しがらき)駅間の14.7キロを結ぶ信楽高原鐵道を旅した。
貴生川駅を出ると、甲賀丘陵の麓を流れる杣(そま)川を渡り、鈴鹿の山並みを望みながら急勾配を駆け上がって行く。途中、信楽焼のたぬきと「おいでやす信楽」「ようこそ信楽へ」の看板が出迎えてくれた。
分水嶺を越えてまもなくすると紫香楽宮跡(しがらきぐうし)駅に到着。付近には聖武天皇によって奈良時代に造営された都跡がある。紫香楽宮跡内裏野(しがらきのみやあとだいりの)地区を巡り、宮町遺跡とその近くの出土遺物展示室を見学して駅へ戻った。
ここから列車は平坦な信楽盆地の中を大戸(だいど)川に沿って進み、開業当時の駅舎が唯一残る雲井駅を過ぎると、日雲神社の参道を横切る。勅旨田や勅旨牧の伝説に由来する勅旨駅を過ぎ、国の重要文化財で日本初のプレストレストコンクリート造の第一大戸川橋梁を渡ってほどなく、ホームに信楽焼のたぬきがズラリと並ぶ信楽駅に到着した。
駅の近くには2020年4月にできた信楽焼ミュージアムがある。信楽焼の歴史と町の地勢に触れてから、信楽探索へと繰り出す。あちこちに置かれた焼き物を見たり、窯元を見学したりした後、土鍋ごはん&CAFE 睦庵へ。ここでも信楽焼の食器を観賞しながら、土鍋ごはんと陶板焼きおろしハンバーグセット(2680円)を楽しんだ。
帰りの列車に乗る前に、信楽駅事務室で鉄印をもらう。「たぬきのテツコ駅長が描かれ、4月からリニューアルした通常版のほか、イベントなどに合わせた限定版も販売しますので、折々にあわせ高原列車を乗りに来て下さい」と、鉄印に日付を書き入れてくれた、同社の神山敬介さん。
古代の歴史と信楽焼、愉快なたぬきと触れあった楽しい1日だった。
鉄印の記帳は信楽駅事務室にて9時~17時。
鉄印帳/2200円、鉄印の記帳料/300円(乗車券の提示が必要)
TEL:0748-82-3391
(2023年「旅行読売6月号」より)
(WEB掲載:2023年5月29日)