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【鉄印帳の旅】明知鉄道

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【鉄印帳の旅】明知鉄道

岐阜県南東部の恵那(えな)駅と明智駅を結ぶ明知鉄道の旅に出た。
恵那駅から出発して坂を登っていく。途中、33パーミル(1000メートルで33メートル上がる計算)で日本一の急勾配上にある飯沼駅を過ぎ、次の阿木駅に着くと車窓にはのどかな田園風景が広がった。飯羽間(いいばま)駅は、農村景観日本一と言われる富田地区への最寄駅。かつてあった寺に由来する極楽駅、駅前に温泉のある花白温泉駅を通り、急勾配日本2位の野志駅へ向かって山深い区間を越えて行くと、ほどなく終点の明智駅に到着した。

 

鉄印
明知鉄道の鉄印(あじさいバージョン)

明智は明治から大正にかけて生糸の生産で栄え、町の中心には往時の建物が残る。大正ロマン館や登録有形文化財の大正村役場などを見学して駅へ戻る。
明知鉄道で鉄印がもらえるのは恵那駅、岩村駅、明智駅。社章を中央にあしらったオリジナル版のほか、各駅限定版、季節ごとの手書き版がある。今回は初夏に相応しいアジサイが描かれたものを選んだ。
鉄カードの発案者で、自ら手書き鉄印の制作もする広報の伊藤温子さんは「自分も楽しいと思えるアイデアを考え、誰もが乗って楽しんでもらえる鉄道を目指しています」と笑顔で話してくれた。

 

山岡駅かんてんかん
山岡駅かんてんかんの華御膳

帰路は、山岡駅かんてんかんで華御膳(980円)を昼食にとり、岩村駅へ。岩村歴史資料館で町の歴史を辿り、重要伝統的建造物群保存地区で、岩村城の城下町として栄えた古い町並みを歩く。その中の一軒、岩村醸造へ立ち寄ってお酒を嗜み、恵那駅へ戻った。
乗っても、見ても、食べても楽しい充実の1日となった。

鉄印の記帳は明智駅、岩村駅、恵那駅窓口にて。明智駅5時~22時、岩村駅10時~16時、恵那駅7時30分~21時・無休 鉄印帳/2200円、鉄印の記帳料300円~(乗車券の提示が必要)
TEL:0573-54-4101

(2022年「旅行読売7月号」より)
(WEB掲載:2023年4月26日)

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Writer

越信行 さん

神奈川県生まれ。全国の駅を撮り歩く駅旅写真家。月刊旅行読売で「駅舎のある風景」を連載中。著書に「生涯一度は行きたい春夏秋冬の絶景駅100選」(山と溪谷社)など

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