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昭和の長距離急行の旅気分を求めて 鉄道の町・直江津へ~えちごトキめき鉄道~(2)

場所
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昭和の長距離急行の旅気分を求めて 鉄道の町・直江津へ~えちごトキめき鉄道~(2)

有間川駅に停車する国鉄形観光急行

 

 

新潟県で唯一スイッチバックが残る二本木駅

昭和の長距離急行の旅気分を求めて 鉄道の町・直江津へ~えちごトキめき鉄道~(1) からつづく

8時43分、列車は直江津駅から妙高はねうまラインの終点、妙高高原駅に向けて発車した。長野方面に向かうこの路線はかつての信越線。古い歴史を持つ駅も多い。明治の終わりに開業した二本木(にほんぎ)駅には当時の駅舎が今も残る。昭和の初めにできた古レールを用いたホームも独特の趣があり、こうした駅のたたずまいも長距離急行の演出に一役買っている。新潟県で唯一スイッチバックが残る駅で、一度列車が後退してジグザグに進むという希少な体験も楽しい。取材時は雲に隠れていたが、妙高高原駅から仰ぎ見る妙高山の雄姿も圧巻だという。

1911年開業の二本木駅。駅舎は国の登録有形文化財に登録されている
ランプの燃料を保管した二本木駅の赤レンガ小屋
古レールを用いた二本木駅ホーム

日本海が目の前に見える有間川駅で深呼吸

午後はかつての北陸線、日本海ひすいラインを行く。姫川鉄橋、親不知(おやしらず)など、日本海沿いの絶景ポイントでは徐行運転し、アナウンスも入る。急行の停車駅は糸魚川駅と市振駅のみだが、能生(のう)駅と有間川(ありまがわ)駅(もしくは名立駅)でも15分ほど停車する。能生駅では地元の人が郷土料理の笹寿司などを販売。出発時には手を振って送ってくれた。有間川駅では目の前の海を見ながら、思い切り深呼吸する。こんなゆったりとした鉄道の旅は久しぶりだ。列車が停車するたびに、カメラを持った少年が目をキラキラさせて写真を撮っている姿が心に残った。

「朝から夕まで455」コース では、能生駅前の和食店、汐路の「蟹いっぱい釜飯」と「蟹汁」が出る
能生駅では地元の人が見送ってくれる
車内づりには昭和47年のダイヤ改正の広告も
観光急行の車内では、限定の鉄印も販売

直江津駅は1886年に新潟県で最初に鉄道が開通した駅。昭和40年代まではSLが走っていた。直江津駅の車両基地の一角にある直江津D51(デゴイチ)レールパークには、SLの転車台や車両を格納する扇形車庫の一部が現存。SL乗車体験もできる。土・日曜、祝日営業なので、前泊してぜひ訪れたい。国鉄形急行とあわせて、昭和の鉄道風景を存分に体感できるはずだ。

文/高崎真規子 写真/齋藤雄輝

施設データ

直江津D51レールパーク。扇形車庫から出てくるSLは迫力満点

直江津D51レールパーク

TEL:025-520-5551
営業:9時45分~16時/平日、冬季休(要問い合わせ)
料金:おとな1000円

※掲載時のデータです。


■モデルコース(1泊2日)

【1日目】
東京駅
↓ 北陸新幹線上越妙高駅でえちごトキめき鉄道に乗り換え
直江津駅
 直江津D51レールパーク

【2日目】
直江津駅
↓ 国鉄形観光急行に乗車
妙高高原駅

直江津駅

市振駅

直江津駅
↓ えちごトキめき鉄道で帰路に就く
上越妙高駅
↓ 北陸新幹線
東京駅

 

「朝から夕まで455」

料金:1ボックス1人占有は8800円、1ボックス2人占有:1万7600円(※別途、下記のホリデーツアーパスが必要)

運行日:土、日曜と祝日を中心に運行(詳細は公式ホームページのカレンダーを参照)

予約方法:インターネットから予約

ホリデーツアーパス 

えちごトキめき鉄道の普通、快速、特急、国鉄形観光急行列車の普通車自由席に1日間乗り降り自由(通年利用可)。直江津―新井駅間の特急しらゆきにも乗車できる。えちごトキめきリゾート雪月花は乗車不可。利用区間は妙高高原ー市振。3000円。

<問い合わせ>
えちごトキめき鉄道 TEL:025-546-5520

※掲載時のデータです。

 

(出典:旅行読売2022年10月号)
(Web掲載:2023年7月21日)

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Writer

高崎真規子 さん

昭和の東京生まれ。80年代後半からフリーライターに。2015年「旅行読売」の編集部に参加。ひとり旅が好きで、旅先では必ずその街の繁華街をそぞろ歩き、風通しのいい店を物色。地の肴で地の酒を飲むのが至福のとき。本誌連載では、大宅賞作家橋本克彦が歌の舞台を訪ねる「あの歌この街」、100万部を超える人気シリーズ『本所おけら長屋』の著者が東京の街を歩く「畠山健二の東京回顧録」を担当。著書に『少女たちはなぜHを急ぐのか』『少女たちの性はなぜ空虚になったか』など。

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