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昭和の長距離急行の旅気分を求めて 鉄道の町・直江津へ~えちごトキめき鉄道~(1)

場所
  • 国内
  • > 北陸・中部・信越
  • > 新潟県
昭和の長距離急行の旅気分を求めて 鉄道の町・直江津へ~えちごトキめき鉄道~(1)

二本木駅に到着する国鉄形観光急行。二本木駅には線路に立った目線で列車を見学できる展望デッキもある

 

今はほとんど目にすることのできない国鉄形車両に乗る

えちごトキめき鉄道(以下、トキ鉄)で、今はほとんど目にすることのできない国鉄形車両に乗れると聞いたのは昨年のこと。運行を終了した七尾線の455・413系列車をトキ鉄が購入。国鉄色に塗り直して観光列車として走行を始めたのだ。今年は金・土・日曜を中心に様々なコースを設けたと聞き、乗ってみたくなった。

「朝から夕まで455」は、直江津駅から妙高高原駅までの妙高はねうまラインを快速として1往復、日本海ひすいラインを市振(いちぶり)駅、糸魚川(いといがわ)駅まで2往復する最長8時間25分のコース(途中終了可)。3両編成の列車の1号車455系のボックス席にテーブルが設けられ、全席指定で1人~2人で占有して利用。食事などのサービスも付いて、指定席・サービス料金1人8800円だ。別途ホリデーツアーパス3000円が必要だが、1日乗りっぱなしで長距離急行の旅気分を味わえる。

国鉄形観光急行の行先表示板も昭和40年代後半のデザイン
全席指定の1号車の車内。ボックス席の片側にテーブルを設置
直江津駅1番ホームに停車する国鉄形観光急行。1号車はクハ455-701。運行しているのはトキ鉄が日本で唯一

「楽しんでもらうために徹底した演出が必要なんです」

「今はこういう古い列車に乗ることを目的にお客さんが来てくれる。ただ、本当に楽しんでもらうためには、徹底した演出が必要なんです」こう話すのは、このプロジェクトの仕掛け人、トキ鉄の鳥塚亮(あきら)社長。急行の時代設定を昭和40年代後半とし、車内の地図や広告も当時使われていたもの。〝乗り鉄〟だった鳥塚社長のコレクションを復元したのだという。列車の行先表示板も当時と同じデザインにした。背もたれの真っすぐなボックス席に座れば、小学生の頃の列車の旅を思い出し、あのわくわく感がよみがえる。

えちごトキめき鉄道の鳥塚亮社長

■モデルコース(1泊2日)

【1日目】
東京駅
↓ 北陸新幹線上越妙高駅でえちごトキめき鉄道に乗り換え
直江津駅
 直江津D51レールパーク

【2日目】
直江津駅
↓ 国鉄形観光急行に乗車
妙高高原駅

直江津駅

市振駅

直江津駅
↓ えちごトキめき鉄道で帰路に就く
上越妙高駅
↓ 北陸新幹線
東京駅

 

「朝から夕まで455」

料金:1ボックス1人占有は8800円、1ボックス2人占有:1万7600円(※別途、下記のホリデーツアーパスが必要)

運行日:土、日曜と祝日を中心に運行(詳細は公式ホームページのカレンダーを参照)

予約方法:インターネットから予約

ホリデーツアーパス 

えちごトキめき鉄道の普通、快速、特急、国鉄形観光急行列車の普通車自由席に1日間乗り降り自由(通年利用可)。直江津―新井駅間の特急しらゆきにも乗車できる。えちごトキめきリゾート雪月花は乗車不可。利用区間は妙高高原ー市振。3000円。

<問い合わせ>
えちごトキめき鉄道 TEL:025-546-5520

※掲載時のデータです。

 

(出典:旅行読売2022年10月号)
(Web掲載:2023年7月20日)

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Writer

高崎真規子 さん

昭和の東京生まれ。80年代後半からフリーライターに。2015年「旅行読売」の編集部に参加。ひとり旅が好きで、旅先では必ずその街の繁華街をそぞろ歩き、風通しのいい店を物色。地の肴で地の酒を飲むのが至福のとき。本誌連載では、大宅賞作家橋本克彦が歌の舞台を訪ねる「あの歌この街」、100万部を超える人気シリーズ『本所おけら長屋』の著者が東京の街を歩く「畠山健二の東京回顧録」を担当。著書に『少女たちはなぜHを急ぐのか』『少女たちの性はなぜ空虚になったか』など。

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