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【天空の紅葉旅】水上高原ホテル200(群馬・上の原温泉)

場所
> みなかみ町
見頃
10月中旬~下旬
【天空の紅葉旅】水上高原ホテル200(群馬・上の原温泉)

宿泊者専用の別棟・露天風呂「凛楽」の「眺望の湯」。自然の造形美と鮮やかな発色に感動する。写真右手の須原尾根を越えるとそこはもう尾瀬だ

 

浮遊感漂う天空の露天風呂が、あたり一面の紅葉に包まれる

群馬県みなかみ町には、谷川連峰の麓、利根川の源流部に18の温泉が点在する。町の中心部、上越線水上駅周辺の標高は約500m。そこから利根川に沿って北東へ約20km、さらに500mほど標高が増した上の原温泉に、2000m級の山々を望む水上高原ホテル200がある。スキーリゾートやゴルフ場も擁する広大な敷地は、200万坪。宿名の「200」はそれに由来する。

上の原温泉の宿泊施設は同ホテルのみ。周囲にほかの建造物は見当たらず、見渡す限り森、そして山々。秋ともなればミズナラやカエデの紅葉が加わって、日常との隔絶感は筆舌に尽くしがたい。一部に植林したカラマツを除いてほとんどが原生林というから、文字通り、手つかずの自然が織りなす錦模様が視界を埋め尽くす。

そして秋には温泉が恋しくなる。宿泊者専用の別棟・露天風呂「凛楽」は、ホテル棟から駐車場を越えた所にあり、隔絶感がさらに増す。「眺望の湯」と「白樺の湯」があり、男女日替わり制。越後の山々まで遠望する「眺望の湯」は圧巻だ。手前に錦に染まった谷が落ち込み浮遊感も加わる。遠くの山並みはモノトーンにかすんで早くも冬支度。頭上は、秋の空だけが発する澄んだ青色に染まっている。「夕日に照らされて輝く森も陰影が増して美しいです」と広報担当の北山さん。「天空」という言葉がふさわしい露天風呂である。

湯はpH9.2のアルカリ性単純温泉を加水、加温してかけ流している。飽きることのない景色にトロリとした肌触りの湯が手伝って、ついつい長湯しそうだ。

「白樺の湯」は木漏れ日に照らされ、森林浴も楽しめる

全客室から見渡す限りの紅葉が見える

客室は220室。どの部屋も大きな窓から奥利根の景色が眺められる造りで、紅葉三昧の休日が過ごせる。加えて10月16日〜27日の平日にはホテルからバスで30分ほどの照葉峡へのツアー(1000円、要予約)も開催。照葉峡へのアクセスはクルマに限られるので、公共交通機関で訪れる人に好評だ。

敷地内には全長1.3kmのフォレストジップラインがあるほか、ディスクゴルフ、白樺林を走れるカートドライブ、星空観賞会などアクティビティーが充実。子ども用の遊具もありファミリー客も多い。

ホテル名の「200」には、「200%の満足を」の意味も込められているというが、紅葉の時期にはさらに満足度が高まることだろう。

文/渡辺貴由

コンパクトながらもくつろげるリゾートツイン(写真/齋藤雄輝)
和洋室のファミリーツインは、家族旅行やグループ旅行向け(写真/齋藤雄輝)
2コース36ホールの水上高原ゴルフコースは、アーノルド・パーマーがコース設計
照葉峡は標高約1600㍍、利根川の支流の楢俣川沿いに5kmにわたって大小11の滝が点在。10月中旬~下旬が紅葉の見頃

水上高原ホテル200
TEL:0278-75-2222
料金:2人1室1万2250円~、休前日1万5000円~
   1人1室1万5550円~、休前日2万500円~
   (いずれも1泊2食料金)
アクセス:上越新幹線上毛高原駅から無料シャトルバス1時間10分(9時30分・11時50分・14時55分発)、上越線水上駅から同50分(12時10分・15時15分発)、いずれも要予約/関越道水上ICから国道291号、県道63号経由19km
住所:みなかみ町藤原6152-1

※取材時のデータです。
(出典:「旅行読売」2023年10月号)
(Web掲載:2023年10月8日)


Writer

渡辺貴由 さん

栃木県栃木市生まれ。旅行情報誌制作に30年近く携わり、全国各地を取材。現在、月刊「旅行読売」編集部副編集長。プライベートではスケジュールに従った「旅行」より、行き当たりばったりの「旅」が好き。温泉が好きだが、硫黄泉が苦手なのが玉に瑕(きず)。自宅では愛犬チワワに癒やされる日々。

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