【天空の紅葉旅】5種の乗り物を乗り継ぎ別天地へ 立山黒部アルペンルート(1)
3000メートル級の山並みを間近に眺める室堂。右手に「血の池」を見ながら雷鳥荘へ向かう道はアップダウンがあるので、歩きやすい登山靴で。防寒具や雨具も忘れずに
ケーブルカーや高原バスを乗り継ぎ、標高2400メートルの室堂へ
「天空の紅葉旅」で思い浮かんだのは、憧れの立山黒部アルペンルート。富山県立山町の立山駅と長野県大町市の扇沢(おうぎざわ)駅を結ぶ、日本を代表する山岳観光ルートは、標高3000メートル級の北アルプスを貫き、総延長37.2キロの間にケーブルカー2本、ロープウェイ、トロリーバス、高原バス、電気バスの5種の乗り物を乗り継ぐ秘境感が大きな魅力だ。
雄々しい自然が残る中部山岳国立公園内にあり、弥陀ヶ原(みだがはら)、室堂(むろどう)、黒部ダムなど〝下界〟では見られない天空の絶景地が連続する。9月中旬に標高2450メートルの室堂から色付き始める紅葉は、1470メートルの黒部ダム周辺まで1か月以上かけて下りてくるため、道中どこかで秋らしい風景に出合えるはずだ。
富山駅前のホテルに前泊して早朝、富山地方鉄道富山駅を出発した。立山駅でケーブルカーに乗り、美女平(びじょだいら)で高原バスに乗り換えて、山林エリアを過ぎると視界が開けた。バスが走る高原の「美女平天空ロード」は眺めが良く、雲の合間に〝下界〟の街や日本海が見えた。
ラムサール条約登録湿地の弥陀ヶ原の前のバス停で降りた。1~2時間で回れる木道の脇に点々と「ガキ田」と呼ばれる池塘(ちとう)があり、高山植物の宝庫で秋に草紅葉(もみじ) が見られる景観は、岩手の八幡平(はちまんたい)群馬の尾瀬ヶ原(おぜがはら)に似ている。弥陀ヶ原が平坦なのは火山噴火でできた溶岩(火砕流)台地だから。上の室堂も同様で、高地なのにアップダウンが少ない。
文/福﨑圭介 写真/青谷 慶ほか
写真協力/立山黒部アルペンルート
【天空の紅葉旅】5種の乗り物を乗り継ぎ別天地へ 立山黒部アルペンルート(2)へ続く
【モデルコース】
富山駅
↓富山地方鉄道1時間5分
立山駅
↓立山ケーブルカー7分
美女平駅
↓立山高原バス50分(弥陀ヶ原は途中下車)
室堂ターミナル
↓徒歩30分~40分
雷鳥荘<泊>
↓徒歩30分~40分
室堂ターミナル
↓立山トンネルトロリーバス10分
大観峰駅
↓立山ロープウェイ7分
黒部平駅
↓黒部ケーブルカー5分
黒部湖駅
↓徒歩15分
黒部ダム駅
↓関電トンネル電気バス16分
扇沢駅
↓特急バス1時間45分
長野駅
【観光の問い合わせ】
立山町観光協会/TEL:076-462-1001
大町市観光協会/TEL:0261-22-0190
(出典:旅行読売2023年10月号)
(Web掲載:2023年10月20日)