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【天空の紅葉旅】温泉研究家が選ぶ 忘れられない天空の紅葉宿3選

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  • 国内
  • > 北陸・中部・信越
  • > 長野県
> 嬬恋村、北塩原村、安曇野市
【天空の紅葉旅】温泉研究家が選ぶ 忘れられない天空の紅葉宿3選

山々の紅葉を一望し温泉を満喫できる中房温泉「湯原の湯」の露天風呂

 

温泉が大好きな私は一年中、温泉旅行をしている。秋は標高の高い温泉宿に、紅葉と温泉の満喫を目的に行くことが多い。周囲に紅葉する広葉樹が多い温泉を選ぶのが、宿選びのポイント。混雑する紅葉期の半年ほど前に予約するのがコツだが、直前にキャンセルが出る場合もあるので、諦めずに予約サイトを何度も見るようにしている。

 

中房温泉

「天空の宿」と聞いて真っ先に思い出すのは、長野県安曇野市の中房(なかぶさ)温泉だ。北アルプス燕(つばくろ)岳中腹、路線バス終点の標高1462メートルにあり、燕岳への登山口にもなっている。「日本秘湯を守る会」に加盟している、登山客の利用も多い山の温泉宿だ。旅館部の招仙閣(しょうせんかく)と旧館のロッジがあり、予算に応じて客室を選べる。ロッジに宿泊する場合は、改装済みの部屋を指定して予約するのがおすすめだ。

中房温泉には、足湯や蒸し風呂、地熱浴場まで含めると浴場が17もあり、1回ずつ入るだけでも1泊2日では時間が足りない。できれば2泊3日以上で訪れたい。全ての浴場が空冷式の源泉かけ流しで、利用している源泉も様々なので、お湯の感触も微妙に異なって感じられる。露天風呂が多いが、内湯の風情も素晴らしく、睡眠時間を削ってでも入浴したくなる。10月下旬には宿の周囲まで紅葉前線が下りて来て、温泉につかりながら紅葉の絶景を楽しめる。

中でも日帰り入浴可能な温泉施設「湯原の湯」の露天風呂から望む紅葉は大変に美しく、印象に残る。宿の手前にある樽沢の滝の紅葉も必見だ。

中房温泉の外観。駐車場から距離があるので喧騒とは無縁の環境
湯元大弾正という源泉地帯を遠望する「月見の湯」。秋は紅葉に彩られ一層美しい

中房温泉

【住所】長野県安曇野市穂高有明7226
【問い合わせ】TEL:0263-77-1488


ホテル軽井沢1130

群馬県嬬恋村の標高1130メートルの森の中にある、北軽井沢のホテル軽井沢1130(イレブンサーティー)も忘れがたい。宿の南側真正面に雄大な浅間山を一望する、規模の大きなリゾートホテルだ。10月下旬の紅葉時期には周囲の森も一面の紅葉に包まれ、オレンジ色の絨毯(じゅうたん)を敷き詰めたように美しい。ホテルの敷地内に点在するモミジも真っ赤に色付き、猛烈な美しさ。ぜひとも秋に宿泊したい宿だ。

露天風呂付き大浴場の湯は、鬼押温泉を源泉かけ流しにした濁り湯で、温泉面も満足度が高い。広い部屋が多いのでゆったりと滞在でき、リニューアルしたばかりのレストランのバイキング料理も美味だ。

屋上から望む浅間山と紅葉の絶景。パノラマテラスと名付けられている
鬼押温泉は源泉かけ流しの濁り湯
スイートルームが多いが、スーペリアツインでも十分な広さ

ホテル軽井沢1130

【住所】群馬県嬬恋村鎌原1453-2
【問い合わせ】TEL:0279-86-6111


ホテリ・アアルト

最後に紹介するのは福島県北塩原村、標高約800メートルの裏磐梯にあるホテリ・アアルト。北欧風の建築が素敵なスモールラグジュアリーの温泉宿だ。オールインクルーシブで、湯上がりに生ビールやスパークリングワインを無料で飲めるのがうれしい。

大浴場の露天風呂のほか、男女交替制の眺めの良い露天風呂がある。露天風呂付き客室もあり、裏磐梯の紅葉と温泉を満喫するのに最適だ。敷地内には五色沼に似た天然のプライベート池が大小2つあり、ちょっとした散策コースになっている。10月下旬の紅葉期は特に美しい。

夕食は毎日メニューが変わる力の入ったもので、地元食材を地産地消で味わえるオーベルジュのよう。夕食時も基本的なお酒は無料で、高級なお酒は別料金で注文できる。翌日の朝食時にはスパークリングワインもあり、運転の予定がなければ、朝からグラスを片手に優雅な時間を楽しめる。

五色沼の中で最も大きな沼、毘沙門沼(びしゃもんぬま)の駐車場へは車で2分の距離なので、朝食前に行って、まだ観光客が少ない早朝の紅葉絶景を写真に収めた。チェックアウト後は裏磐梯の紅葉名所を巡った。

露天風呂からプライベート沼と紅葉を望む。湯上がりの生ビールは何杯でも無料で、まさに天国
ホテルの外観。長靴や杖を借りて緑に囲まれた敷地内を散策できる
シンプルながら最高に居心地が良かった別館105号室。チェックアウトするのがつらく感じたほどだ

ホテリ・アアルト

【住所】福島県北塩原村檜原大府平1073-153
【問い合わせ】TEL:0241-23-5100

文・写真/ 藤田 聡


(出典:旅行読売2023年10月号)
(Web掲載:2023年10月10日)

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