【天空の紅葉旅】三段紅葉を見に白馬へ(1)
絶景カフェ&テラス「白馬マウンテンハーバー」からの北アルプスの眺望。10月には鮮やかな三段紅葉が見られる
白、赤、緑の三色の美が圧倒的 山頂付近から麓まで長く楽しめる
白馬といえば1998年長野冬季五輪でスキー競技などが開催され、ウィンタースポーツの名所として知られるが、秋も「三段紅葉」の美しさが紅葉ファンの間で広まってきているという。東京で気温35度を超す猛暑日が続いた7月末、避暑を兼ねて紅葉の下見に出掛けた。
新宿から特急あずさに乗り、白馬駅に着いたのは正午前。30度ながら強い日差しのせいか、体感的には都内とさほど変わらない。気を取り直し、三段紅葉の名所とされる白馬マウンテンハーバーへ向かう。ゴンドラリフトで8分、標高1289メートルの岩岳山頂に立つと、気温は26度。風も爽やかでまさに別天地だ。
まずは絶景カフェ&テラスからの眺めを体験する。カフェ「THE CITY BAKERY」を通り抜け、テラスに出ると、視界が劇的に広がった。標高2900メートル前後の白馬三山( 白馬岳=しろうまだけ、杓子岳=しゃくしだけ、白馬鑓ヶ岳=はくばやりがたけ)を含む北アルプスが屏風絵のようにそびえ立ち、深い緑の中にところどころ残雪も見える。白馬岳の山頂付近の雪渓から麓まで一気に流れ落ちる松川のダイナミックな姿は、息をのむような迫力。こちらまで水しぶきが飛んでくるのではと錯覚するほどだ。
「10月には山頂付近が白く冠雪し、中腹が赤く色づきますが、麓の木々はまだ緑。山全体が三色に彩られることから『三段紅葉』と呼ばれています」。施設を運営する岩岳リゾートの齋藤耕平さんが説明してくれた。地元産の豚肉をほんのり塩味のクロワッサンで挟んだサンドイッチをほおばりながら、しばらく景色に見とれていた。
絶景を楽しめるアクティビティーも多く用意されている。絶景カフェ&テラスの隣には「ヤッホー!スウィング」がある。アニメ「アルプスの少女ハイジ」のテーマ曲に合わせて巨大ブランコを思いきり漕(こ)ぐと、北アルプスに飛び出していくような爽快な気分を味わえる。
岩岳頂上から中腹まで全長1.4キロの未舗装路をエンジンなしのカートで駆け降りる「マウンテンカート」では、眼下に白馬の街並みが広がり、右手に白馬八方尾根スキー場が。絶景に目を奪われてハンドル操作を誤らないように気を付けたい。
文/山脇幸二
写真/阪口 克ほか
白馬岩岳マウンテンリゾート内に2018年秋にオープン。絶景カフェ&テラスからは正面に白馬三山の展望が広がる。リゾート内は巨大ブランコ「ヤッホー!スウィング」やマウンテンカート、MTB(マウンテンバイク)、体験乗馬などアクティビティーも充実。グルメなどのショップも点在している。
■8時45分~16時30分/夏季営業は11月12日まで。冬季営業は12月中旬~2024年3月下旬/2400円(ゴンドラ・リフト往復含む)/白馬駅からバス16分、岩岳マウンテンリゾート下車すぐ/TEL:0261・72・2474(白馬岩岳マウンテンリゾート)
姫川に架かる大出(おおで)のつり橋からほど近い、築100年の古民を改装したカフェ。地元産の川魚や肉、野菜を使ったランチや湧き水でいれたコーヒー、自家栽培のフルーツほおずきのスイーツなどを味わえる。
■11時~16時/火・水曜休/白馬駅から徒歩14分/TEL:080・3391・7718
※掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2023年10月号)
(Web掲載:2023年9月28日)
モデルコース
白馬駅
↓バス16分、ゴンドラリフト8分
白馬マウンテンハーバー
↓バス16分、徒歩14分
古民家カフェかっぱ亭
↓徒歩10分
白馬ハイランドホテル泊
↓徒歩15分、バス27分
栂池高原駅
↓ゴンドラリフト20分、徒歩10分、ロープウェイ5分
栂池自然園
↓ロープウェイ5分、徒歩10分、ゴンドラリフト20分
栂池高原駅
↓バス27分
白馬駅
問い合わせ:
白馬村観光局インフォメーション
TEL:0261・85・4210