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【美しき天守へ】戦国武将が天下取りを夢見た360度の天守の眺望 犬山城×岐阜城(2)

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【美しき天守へ】戦国武将が天下取りを夢見た360度の天守の眺望 犬山城×岐阜城(2)

1956年に復興された岐阜城天守

 

犬山城から歩いて10分、もう一つの国宝へ

【美しき天守へ】戦国武将が天下取りを夢見た360度の天守の眺望 犬山城×岐阜城(1)から続く

ところで、犬山城から歩いて10分ほどの場所に、国宝がもう一つあるのをご存じだろうか。日本庭園 有楽(うらく)苑には「国宝茶席三名席」の一つ、「如庵(じょあん)」が移築されている。信長の実弟で茶匠として名高い織田有楽斎の遺構だ。随所にこだわりのある4000坪の庭園は、独特の趣に包まれ別世界のようだ。

城の周辺は城下町の風情が残る。メインストリートの本町通りには、犬山の歴史や文化の展示を行う「城とまちミュージアム」や呉服商だった「旧磯部家住宅」など見学できる施設も点在している。五平餅や飛騨牛、スイーツなどの串グルメも人気で、そぞろ歩くのも楽しい。

城の南にある犬山城下町の本町通り。かつては大手門に続いていたという

岐阜城では夜景を楽しめるイベントも開催

ここまで来たら、岐阜城にも立ち寄りたい。かつては稲葉山城と称し斎藤道三(どうさん)の居城だったが、1567年に信長が攻略し、安土城が造られるまで天下統一の拠点だった。

標高329メートルの金華山の山頂にあり、山城の中でも有数の高さだ。今は岐阜公園からすぐの山麓駅からぎふ金華山ロープウェーで山頂駅までわずか4分。登山道を8分上れば天守に到着する。

岐阜のおもてなし集団。体験活動を通じて、武家の文化や様々な歴史話などを紹介

天守は1956年に復興された鉄筋コンクリート造りで、1~3階は信長に関する資料を展示、山麓の居館がこんなふうであったろうという再現映像も流している。

さえぎるもののない最上階からの360度の眺めは壮観だ。夕景、夜景もひときわ美しいという。

「岐阜城パノラマ夜景」期間中の天守からの眺め。寒くなるほど空気が澄んで美しい(写真/岐阜市)

岐阜城では期間限定で「岐阜城パノラマ夜景」を開催。開館時間を延長し、城の照明を落とすなど、街の灯(あか)りが際立つように演出する。秋季は11月26日までの土・日曜、祝日の20時まで。映画『レジェンド&バタフライ』で信長役を演じた木村拓哉さんも、かつて足を運び夜景に感動したという。ロープウェーの山頂駅近くには展望レストランもあり、絶景のオンパレードだ。

文/高崎真規子
写真/宮川 透

モデルコース(移動時間 約2時間15分)

犬山遊園駅
 ↓徒歩8分
❶日本庭園 有楽苑
 ↓徒歩10分
❷国宝 犬山城
 ↓徒歩5分
❸城とまちミュージアム
 ↓徒歩20分
犬山駅
 ↓電車38分
名鉄岐阜駅
 ↓電車12分+ロープウェイ4分+徒歩8分
❹岐阜城
 ↓徒歩8分+ロープウェイ4分+電車15分
岐阜駅

犬山城周辺の見どころやホテル

日本庭園 有楽苑

織田有楽斎が、京都の建仁寺に創建した国宝茶室「如庵」をはじめ、隠居所だった旧正伝院書院(重文)などを移築。京都にあった頃の庭園を可能な限り再現しており、特別見学会(要予約)では、内部も見学できる。茶室弘庵では、呈茶(600円)も実施。
■9時30分~16時30分/犬山市犬山御門先1番地/祝日を除く水曜休、12月29日~1月1日休(臨時休あり)/1200円/名鉄犬山線犬山遊園駅から徒歩8分/TEL:0568-61-4608

※掲載時のデータです。

 

ホテルインディゴ犬山有楽苑

2022年にオープン、館内は犬山の歴史や伝統を感じられるデザインで統一し、天然温泉の大浴場も備える。開放感のあるロビーからは、水盤を挟んで犬山城を一望。ホテルは日本庭園 有楽苑に隣接。宿泊者は開苑時間内に受付でカードキーを提示することで見学できる。
■1泊2食2万7900円~(時期により異なる)/TEL:0568-61-2211

※掲載時のデータです。

岐阜城データ

岐阜城御城印。左の御城印は毎月最終金曜のみ販売

岐阜城 <100名城>

築城:1201(建仁元)年完成/二階堂行政
種類:山城
天守:三層四階(復興)
遺構:曲輪、石垣、土塁、堀切
入城: 9時30分~17時30分(季節により異なる)/無休/200円(ロープウェー往復1100円)
御城印:あり(300円)。ぎふ金華山ロープウェー山麓売店で販売
交通:名鉄名古屋本線・各務原線岐阜駅からバス15分、岐阜公園歴史博物館前下車徒歩5分でぎふ金華山ロープウェー山麓駅
住所:岐阜県岐阜市金華山天守閣18
TEL:058-263-4853

※掲載時のデータです。



Writer

高崎真規子 さん

昭和の東京生まれ。80年代後半からフリーライターに。2015年「旅行読売」の編集部に参加。ひとり旅が好きで、旅先では必ずその街の繁華街をそぞろ歩き、風通しのいい店を物色。地の肴で地の酒を飲むのが至福のとき。本誌連載では、大宅賞作家橋本克彦が歌の舞台を訪ねる「あの歌この街」、100万部を超える人気シリーズ『本所おけら長屋』の著者が東京の街を歩く「畠山健二の東京回顧録」を担当。著書に『少女たちはなぜHを急ぐのか』『少女たちの性はなぜ空虚になったか』など。

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