温泉の達人が隠れた名湯、秘湯を紹介!“温泉ゆらり~まん”厳選の温泉へ(2)
鬼怒川温泉 仁王尊プラザ名物 鬼怒川ライン下りの舟を使った屋形船露天風呂
日ごと寒さが増してくるこの季節、恋しくなるのが温泉だ。そこで温泉の達人が日本の知られざる名湯や秘湯を紹介する。冬の旅は温泉で決まり!
大菅(おおすげ)温泉 元湯旅館【茨城県】
強アルカリ性の湯で湯上りも肌がつるつるに
久慈川の支流、里川沿いにあり、周辺はのどかな風景が広がる。およそ300年の歴史ある湯治宿で、風呂は卵型の小ぶりな浴槽が男女別に1つずつ。15.5度の冷鉱泉を42度ほどに加温しているが、浴槽上部の蛇口をひねると源泉が流れ出るので、温泉愛好家にも人気が高い。硫黄臭はそれほど強くなく、㏗10.2の強アルカリ性なので肌がつるつるとした感触になる。里川で獲れた川魚や地元の山菜を使った料理がメーン。常陸秋そばも評判で、そば目当てに訪れる湯治客も多い。
<ゆらり~まん入湯記録>
2023年3月、10月、入湯2回。ユニークな形をした浴槽で、地元の人は卵風呂と呼んでいるとか。ぬるぬる泉質はもちろん、自家製米のご飯に心も温まります。
大菅温泉 元湯旅館
TEL:0294-82-2712
茨城県常陸太田市大菅町261-1
◎客室:全9室
◎泉質:単純硫黄泉
大菅温泉 元湯旅館へのツアーは こちら
鬼怒川温泉 仁王尊プラザ【栃木県】
鬼怒川の風を浴びながら名物の露天風呂を堪能
鬼怒川温泉の中心街からやや南下した渓谷沿いに位置する。ホテル庭園にはシンボルの仁王像ほか、マスやイワナが泳ぐ釣り堀もある。風呂は敷地内に4つあり、鬼怒川ライン下りの舟を使った屋形船露天風呂が名物。湯船につかりながら、春から秋は舟下りを眼下に望むことができる。ほかにも岩を配した内風呂、露天風呂、5月から10月のみ利用できる混浴の舞台の湯(要水着または湯浴み着)があり、すべて源泉かけ流し。温泉は㏗9.6と高く、湯はとろみがあるのが特徴。
<ゆらり~まん入湯記録>
2022年6月、23年9月、入湯2回。鬼怒川ライン下りの和船を利用した“本当の湯船”。鬼怒川温泉では珍しい石鹸水のような湯がかけ流し。転倒にご注意ください!
鬼怒川温泉 仁王尊プラザ
TEL:0288-76-2721
栃木県日光市鬼怒川温泉大原371-1
◎客室:全15室
◎泉質:アルカリ性単純硫黄温泉
鬼怒川温泉 仁王尊プラザへのツアーは こちら
“温泉ゆらり~まん” 土屋重治(つちや しげはる)
㈱読売旅行 個人型企画担当者/ひなびた温泉研究所 研究員/温泉ソムリエ
日本全国の温泉地をめぐり年間200湯以上の温泉に入湯。ひなびた温泉・昭和レトロ感が漂う温泉地を好み、それらが持つ泉質の良さを愛する。泉質を第一に考えて選んだ温泉旅行企画『コダワリの温泉シリーズ』を立ち上げ、日本全国の素晴らしい温泉を紹介している。
こだわりの温泉シリーズは こちら
(出典:「旅行読売」2024年1月号)
(WEB掲載:2023年12月22日)