清流・錦川がつなぐ城下町と里山【山口県岩国市】
錦帯橋と山上にそびえる岩国城。
錦帯橋/310円※往復ロープウエーと岩国城とのセット券970円/TEL:0827-41-1477
岩国城/9時~16時45分/ロープウエー点検日休/270円/TEL:0827-41-1477
創建350周年の五連の木造アーチ橋・錦帯橋
山上の岩国城を囲むように流れる錦川に掛けられた五連の木造アーチ橋である錦帯橋(きんたいきょう)。岩国藩3代藩主の吉川広嘉(きっかわひろよし)が1673年に創建し、350周年を迎えた。橋を渡るだけでなく、たもとから美しい木組みを見上げてみたい。遊覧船もあり、川面から眺めるのも一興だ。水は澄んでいて、川底まで見える。
城へはロープウエーを使うと手軽に登ることができる。桃山風南蛮造りの天守からの眺めは絶景で、蛇行する錦川の河口に瀬戸内海まで見渡せる。現在ある天守は1962年に約50メートル移動して再建されたが、野面(のづら)積みの旧天守台が残されている。
錦川を境に城の南は武家屋敷や町人町があり、白壁の商家が今も残っている。幕末に建てられた商家を改装した観光交流所「本家松がね」では、地酒の試飲や甲冑体験ができる。
もう一つの注目はシロヘビ。江戸時代の記録に残っており、現在は約1000頭生息している。古くから神の使いとされ、1972年に国の天然記念物に指定された。その多くは岩國白蛇神社隣接の施設で飼育されている。高温多湿を好み冬は冬眠するが、白蛇観覧所やシロヘビの館では通年見学できる。
のんびり走る1両編成のディーゼル車・錦川鉄道で錦町へ
翌日は錦川に沿って走る錦川鉄道に乗って錦町を目指そう。のんびり走る1両編成のディーゼル車の車窓は進むごとに山が深くなり、清流とのコントラストが美しい。滝などの景勝地では徐行して車内放送が行われる。終点の錦町駅周辺は広瀬という町で、商店街を中心に町全体を博物館に見立てている。
錦町から先は国鉄時代に岩日(がんにち)北線として建設された路盤を、ゴムタイヤの電気遊覧車「とことこトレイン」が走っている。遊び要素たっぷりの乗り物で、ハイライトは出発してすぐに訪れる。約1800メートルのトンネル内に描かれた作品が6色に輝く。後半には桜の並木道があり、春は桜のトンネルの中を走る。終点の雙津峡(そうづきょう)温泉駅の近くにはラドン温泉が湧いており、日帰り入浴できる。
【アクセス】
(岩国駅まで)岩国錦帯橋空港からバス7分
(錦帯橋まで)岩国駅からバス15分、山陽新幹線新岩国駅からバス13 分
【問い合わせ】
(一社)岩国市観光協会/TEL:0827-41-2037
※料金等すべて掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2024年2月号)
(Web掲載:2024年1月14日)