駅舎のある風景 西岩国駅【岩徳線】
レトロ自動車とシャンデリアが目を引く洋風建築
岩国駅からJR岩徳(がんとく)線に乗って一駅目、西岩国駅の駅舎は古い木造洋風建築のたたずまいを今に残す。
1929年に山陽線の短絡線である岩徳線の岩国駅として開業。木造の5連アーチ橋で日本三名橋の一つ「錦帯橋(きんたいきょう)」の最寄り駅としてにぎわった。1942年、当時発展が著しかった麻里布(まりふ)駅が岩国駅になるのに合わせ西岩国駅と改称された。
駅に降りて目を引く木製の改札口や天井のシャンデリアは、1979年に駅舎の永久保存が決まった際に復元されたもの。駅舎は2006年に国の登録有形文化財になり、今に至る。
駅前には、市民より寄贈された昭和初期に活躍した木炭自動車が展示され、寄棟(よせむね)造りのオレンジ色の屋根と錦帯橋を模したアーチ構造の正面玄関が青空に映えていた。当時の面影が頭に思い浮かぶようだった。
文・写真/越信行
岩国|櫛ケ浜駅間の43.7㌔を結ぶ岩徳線は1934年全通。西岩国駅へは岩国駅から岩徳線で5分
(出典:「旅行読売」2020年9月号)
(WEB掲載:2022年7月6日)