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歴史に根ざした名所が集まる毛利氏ゆかりの歴史町【山口県防府市】

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> 防府市
歴史に根ざした名所が集まる毛利氏ゆかりの歴史町【山口県防府市】

毛利氏庭園/中心に本邸が建ち、邸内の毛利博物館は雪舟作 の国宝『四季山水図』などを収蔵。庭にはなだらかな丘や滝、池などが造られている。
9時~17 時(入館16時30 分まで)/庭園無休、本邸・博物館は年末休/共通券1000円/TEL:0835-22-0001

かつて海陸の要衝だった防府には長州藩主・毛利氏ゆかりの豪奢な庭園や寺社が佇む。往時の華やぎを今に残す、静かな昔町を歩いた。

山口県中南部の瀬戸内海に面した防府市は、全国に誇るべき名所が防府駅周辺にコンパクトに集まった奥行き深い歴史町だ。

筆頭はやはり毛利氏庭園。起伏に富んだ近代日本庭園で、廃藩置県後の大正時代に旧藩主・毛利氏のために造られた。集落を買い取って作庭したという壮大なスケールで、本邸はまさに御殿と呼ぶにふさわしい。

旧毛利家本邸の大広間。天井は格天井になっている

「諸大名の中でも特に屋敷を作るのが遅かったため、和風ながらも洋風生活に合わせた造作や、電化住宅の先駆けとなるシャンデリアなど、近代化された細部もユニークです」と毛利博物館館長の柴原直樹さん。秋には庭園の紅葉が美しく、春には桜やサツキが華やかに彩る。

ここ防府は、長州・薩摩軍が倒幕に向けて船を出した幕末史の中心地でもある。毛利敬親(たかちか)父子がイギリスの提督との会見で供した豪華料理は、当時の献立をもとに「日英饗応料理」として再現され、市内の料亭などで味わえる。

日英饗応料理/長州藩主の毛利敬親・元徳父子がイ ギリス艦隊のキング提督との会見時に 出した料理を再現。(写真は防府駅近 くの老舗料亭 桑華苑での一例)
はも料理/防府名物の天神鱧(はも)は市内 の加盟店のみで味わえる逸品。旬の夏が楽しみだ。(写真は割烹いちはなの鱧フルコース)

また、時代を遡れば平安末期から鎌倉時代にかけ、兵火で焼失した奈良東大寺大仏殿を再建するために重源(ちょうげん)上人が活躍した。再建拠点となる阿弥陀寺を防府に建て、木材搬出の陣頭指揮を取ったそうだ。

阿弥陀寺/重源上人が建てた東大寺別院。宝物館 (要予約。9時~17時、400円)の国宝・ 鉄宝塔や重源上人坐像が心に残る。6月 には80種4000株のアジサイが咲く。 拝観自由(6月は200円)/TEL:0835-38-0839
周防国分寺/創建当初の境内に今も伽藍を残す、全国的にも珍しい国分寺。金堂には木造の日光・月光菩薩立像など多数の仏像が並ぶ。 9時~16時/月曜休(祝日の場合は翌日休)/500円/TEL:0835-22-0996

さらに遡る平安時代には菅原道真が亡くなる直前に防府に寄っていて、天神様として防府天満宮に祀られている。社の立派な構えも聞けば納得。全国約1万2000社の天神様でもここが日本初というから驚きだ。

(上)防府天満宮/菅原道真を祀る日本最初の天神様。(左)はにわみくじなど各種おみくじも。(右)茶室・芳松庵では抹茶体 験ができる。(9時30分~16時/無休/500円)TEL:0835-22-0214

防府は古くから製鉄や木材、特に江戸時代には三田尻の塩田でも栄えた。塩は北前船で山陰・北陸・東北などへ積み出され、これらの地域では塩を「ミタジリ」と呼ぶところまであったほど。豊かな資源が文化を育み、海陸の要衝として幾重もの歴史を刻み続けた。そうした背景に思いを馳せて旅をするのが面白い。

三田尻塩田記念産業公園/中世に始まり江戸期に繁栄を極めた三田尻塩田の見学施設。干満差を巧みに用いる入浜式塩田を、実際に体験しながら見 学できる。 9時~16時/月・火曜休(夏季は月曜休)、祝日の場合は翌日休/310円/TEL:0835-25-3510
やまぐち鋳物記念館/防府天満宮参道脇にあり、 錫(すず)を使った鋳物作りができる。タンブラー5500円など。 11時〜16時(要予約)/不定休/TEL0835-28-3702

【アクセス】
鉄道=山陽新幹線徳山駅から山陽線30分の防府駅下車
車=山陽道防府東IC(広島方面)または防府西IC(九州方面)利用

【問い合わせ】
(一社)防府観光コンベンション協会/TEL:0835-25-2148

※料金等すべて掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2024年2月号)
(Web掲載:2024年1月15日)


Writer

旅行読売出版社 メディアプロモーション部 さん

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