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【1万5000円で泊まる名湯の宿】鳴子温泉 元祖うなぎ湯の宿 ゆさや旅館(1)

場所
> 大崎市
【1万5000円で泊まる名湯の宿】鳴子温泉 元祖うなぎ湯の宿 ゆさや旅館(1)

今回のプランで宿泊できる8畳の和室。日常を離れ、時間がゆっくり流れていく

 

泉質の豊かさ誇る温泉郷 純日本旅館で湯に憩う

鳴子温泉郷は宮城県北西部に位置し、鳴子温泉のほか、東鳴子温泉、鬼首(おにこうべ)温泉、中山平(なかやまだいら)温泉、川渡(かわたび)温泉の五つの温泉からなる。その特徴は何といっても源泉数の多さと、泉質が豊富であること。源泉数は約370、掲示用泉質名(※)は10種のうち実に7種を数え、「温泉のデパート」といわれるほどだ。

陸羽東(りくうとう)線の鳴子温泉駅で降りると、そこはもう温泉街。駅舎の前には足湯が設けられ、街のあちこちから湯けむりが上がり、ふんわり硫黄の匂いが漂ってくる。「鳴子こけし」の看板を揭げる店も目にとまり、手湯のある広場をはじめ、マンホールのデザインなど、こけしのモチーフがあふれている。

(※日本温泉協会による国内の泉質分類)

鳴子温泉駅を出ると、歩道のガードレールに、こけしがデザインされた支柱を発見
木造2階建て、入り母屋造り。向かって左隣りに共同浴場の「滝の湯」がある

こけし店や大型旅館を眺めながら坂道を上っていくと、目指す「元祖うなぎ湯の宿 ゆさや旅館」に到着。共同浴場「滝の湯」と並んで風情のあるたたずまいで迎えてくれる。

純和風の建物は1936年に改築されたもので、国の登録有形文化財だ。「国会議事堂が建てられたのと同じ年です」と17代目の遊佐勘左衛門(ゆさかんざえもん)さんが教えてくれた。客室は12室すべてが和室。特別室「鶴の間」は二間続きで広縁付きの広々とした造り。

17代目に当たる館主の遊佐勘左衛門さん。2007年、現在の名に改名したそうだ
(左)重厚感のあるロビーでは、クラシック音楽が流れていた (右)館内には電話機などレトロな調度品も

今回のプランで宿泊できるのは8畳の和室。通りに面した2階の部屋からは温泉街が見える。懐かしい雰囲気の中、肩の力を抜いてゆったり過ごせるのがいい。

文/堀内志保 
写真/堀内 孝

【1万5000円で泊まる名湯の宿】鳴子温泉 元祖うなぎ湯の宿 ゆさや旅館(2)へ続く(1/24公開予定)

立ち寄りたい温泉街のお店

大沼こけし店
鳴子のこけしは、木地師(きじし)が子どものための玩具として作ったのが始まりで、湯治場の土産として発展した。安定した形と首を回すとキュッキュッと鳴るのが特徴的。5代目の大沼秀顯(ひであき)さんが制作する伝統こけしは2000円〜。帽子を被ったモダンなこけしも人気だ。
■8時〜19時/不定休/陸羽東線鳴子温泉駅から徒歩3分/TEL:0229-83-3163

餅処 深瀬
名物の栗だんごは、栗の甘露煮が丸ごと入った餅に、みたらしあんをたっぷりかけたもの。ほんのり甘い栗とほどよい弾力の餅、優しい味わいのあんとのコンビネーションが絶妙だ。温かい状態で提供され、店内で味わうこともできる。2個入り400円、5個入り850円。
■8時〜18時(栗だんごは売り切れ次第終了)/不定休、1月1日休/陸羽東線鳴子温泉駅から徒歩2分/TEL:0229-83-2146


元祖うなぎ湯の宿 ゆさや旅館

TEL:0229-83-2565
住所:大崎市鳴子温泉湯元84
客室:トイレなし8畳和室など全12室
温泉:うなぎ湯/含硫黄―ナトリウム―硫酸塩・塩化物泉―低張性弱アルカリ性高温泉、茜の湯/含硫黄―ナトリウム―硫酸塩泉―低張性アルカリ性高温泉、滝の湯/酸性−含硫黄―ナトリウム・アルミニウム・カルシウム・鉄(Ⅱ)―硫酸塩泉(硫化水素型)―低張性酸性高温泉
食事:夕・朝食=部屋
料金(2人1室利用・税込み):朝食付き平日 ― 休前日 ― /2食付き平日1万7250円~ 休前日1万8950円~
※露天風呂・貸切風呂あり、掛け流し、部屋食
※ひとり泊可(期間限定で平日のみ、+2300円)
交通:陸羽東線鳴子温泉駅から徒歩5分/東北道古川ICから29キロ

※料金等すべて掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2024年1月号)
(Web掲載:2024年1月23日)


Writer

堀内志保 さん

埼玉県生まれ。1999年から2年あまり社会人類学の調査でアフリカ大陸の沖に浮かぶマダガスカル島に滞在。『マダガスカルを知るための62章』(明石書店)では、市場と割礼祭の章を担当した。2003年から宮城県に住み、写真家の夫とともに東北各地の自然や歴史、食、温泉、手仕事などに触れ、新聞や雑誌に記事やエッセイを発表している。

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