【私の初めてのひとり旅】友近さん 下呂温泉、道後温泉(1)
ともちか [タレント]
1973年、愛媛県出身。2000年にお笑い芸人としてデビュー。架空のキャラクターになりきるコントが得意で、歌手「水谷千重子」やプロアルバイター「西尾一男」のシリーズが人気。女優としても映画、舞台、テレビドラマなどで幅広く活躍。19年には映画「噓八百」(18年公開)で第28回日本映画批評家大賞助演女優賞を受賞した。23年、明治座・博多座で水谷千重子座長公演を興行した。
下呂温泉で“女のひとり旅ごっこ” 街を散策して絵手紙にチャレンジ
温泉がとにかく好きです。初めてのひとり旅も温泉でした。すでに芸人になっていて、26歳か27歳でしたが、下呂温泉(岐阜)の下呂観光ホテル本館に行きました。旅行サイトで見つけて、素敵(すてき)だな、行ってみようと思って予約を入れました。
夕食から部屋に戻ったら布団が敷いてあって、電気が消されていて行燈(あんどん)だけついていて、ろうそくが1本ともされていました。ものすごく幻想的で素敵な景色で、今もよく覚えています。街を散策してお店で絵手紙も書きました。普段はそういうのは書かないんですけど、あえてやってみようと思って。ひとり旅の女性がやりそうなことにチャレンジしようと。〝女のひとり旅ごっこ〞ですね。人が見たら、テレビの旅番組の撮影でもしているのかな、コントやっているのかなって思われそうでしたけどね。
それからは本館の隣にある別館「しょうげつ」に通うようになりました。15年続けている名古屋のテレビ番組があるのですが、土曜日の午前中の生放送が終わってから特急に乗り、チェックインの時間に着いて、宿にこもるんです。しょうげつは貸切風呂が広くて温泉三昧です。お湯は柔らかくてトロッとしていますね。部屋にも露天風呂が付いていて、ベランダの向こうに広がる町の景色を眺めながらのんびり浸(つ)かるのが最高なんです。夜は特急列車の音が聞こえてきたりして。料理もおいしくて量もたっぷりあって、すっかり気に入ってしまいました。
旅には子どもの頃からよく行っていましたね。家族で四国や九州へ、クルマで出かけることが多かったと思います。キャンプにも行きました。学生時代は友だちと神戸や金沢へ出かけていました。芸人になってからはひとりの時間が多くなったし、みんなとスケジュールを合わせるのが大変なので、ひとりで旅に出ることが多くなったのだと思います。
話・写真/友近
聞き手/山脇幸二
【私の初めてのひとり旅】友近さん 下呂温泉、道後温泉(2)へ続く(2/8公開予定)
(出典:「旅行読売」2024年2月号)
(Web掲載:2024年2月7日)