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【港町食堂】黄金アジ、極上サバを食べに房総へ(2)

場所
> 富津市、銚子市
【港町食堂】黄金アジ、極上サバを食べに房総へ(2)

極上さばの漬け丼定食1800円にはつみれ汁、小鉢、香の物が付く

 

極上サバの刺し身を安全に提供する丼屋七兵衛(銚子港)

【港町食堂】黄金アジ、極上サバを食べに房総へ(1)から続く

勝浦市の「外房つりキンメ鯛」、九十九里町のハマグリ、いすみ市のマダコなど、数々の誘惑に後ろ髪を引かれながら、ようやく房総半島の東端に位置する銚子市の銚子漁港に着いた。

銚子漁港でマグロ漁の準備をする船員たち

銚子漁港は三つの卸売市場を備えた巨大な漁港で、年間水揚げ量は2022年まで12年連続日本一だった。銚子漁港を代表するサバの旬は10月から翌2月まで。1尾700グラム以上の大物は100匹に1匹しかとれない貴重なもので〝極上サバ〟と呼ばれる。

飯沼観音の門前に店を構える丼屋七兵衛

銚子漁港から5分ほど歩いた丼屋七兵衛で、極上さばの漬け丼定食をいただく。しょうゆダレを絡めたサバは刺し身! サバは寄生虫アニサキスが潜むことがあり、生食は危険だったはずだが……。

「マイナス60度の冷凍庫で24時間以上冷凍し、アニサキスを死滅させていますから心配は無用です。冷凍前に特許製法の塩ダレに漬けることがポイントで、独特の臭みを抑え、刺し身の状態で提供できます」

店内にはにぎやかなお囃子のBGMが流れる

店主の清水俊和さんは自信に満ちた笑顔を浮かべながら教えてくれた。いざ、実食。刺し身だけを食べると皮に近い部分はコリッと歯応えがあり、腹の部分は大トロのようにとろけていく。おいしい! 大声で感想をもらすと、清水さんは〝そうでしょ〟とばかりに微笑んだ。

銚子半島の南側に位置する外川地区は坂の町。石畳風の坂道を下りていくと外川漁港に着く

例年12月〜1月には「銚子極上さば料理祭」が開催され、同店を含む6店舗で極上サバのコース料理(予約制)を提供している。今期は不漁のため開催が遅れている(2024年1月17日現在)。次は極上サバのコース料理を求めて再訪しよう。

文/内田 晃 写真/青谷 慶


丼屋 七兵衛

営業:10時〜16時30分/水・木曜(祝日の場合は翌日)休
交通:銚子電鉄観音駅から徒歩6分/東関東道佐原香取ICから国道356号経由37キロ
住所:千葉県銚子市飯沼町1-26 
問い合わせ:TEL0479-25-3133

※料金などは掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2024年3月号)
(Web掲載:2024年3月5日)


Writer

内田晃 さん

東京都足立区出身。自転車での日本一周を機に旅行記者を志す。四国八十八ヵ所などの巡礼道、街道、路地など、歩き取材を得意とする。著書に『40代からの街道歩き《日光街道編》』『40代からの街道歩き《鎌倉街道編》』(ともに創英社/三省堂書店)がある。日本旅行記者クラブ会員

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