【オンリーワンの宿】静岡の町歩きに便利な「泊まれる喫茶店」 ヒトヤ堂
レトロな雰囲気が漂う喫茶店は地域の人々との出会いの場。宿泊者も町で暮らしているような感覚が味わえる
地元客と語らい、街の日常に溶け込む
喫茶店でのモーニングから始まる一日は私にとっての理想だ。ささやかな贅沢(ぜいたく)を、旅先しかも宿泊先で叶(かな)えてくれるのが、その名も「泊まれる純喫茶 ヒトヤ堂」である。喫茶店に泊まるという発想は画期的だが、実は偶然の産物なのだそう。
「ゲストハウス開業のために物件を探していて、現在の建物に巡り合いました。40年近く営まれてきた喫茶店の雰囲気が素敵だったので、その空間を残したいと思ったんです」とオーナーの村松佐友紀さん。静岡駅にほど近いビル1階の喫茶店を引き継ぎ、2・3階をゲストハウスに改装した。入り口は一つで、喫茶店の奥の引き戸を開けると宿泊者専用の空間。ラウンジのほか、ドミトリールームが2室、最大3人で泊まれる個室1室が用意されている。
ヒトヤ堂のある七間町(しちけんちょう)・人宿町(ひとやどちょう)界隈(かいわい)は、江戸時代に東海道を行き交う人々でにぎわい、現在も魅力的な店が並んでいる。「すぐ近くに姉妹店の本屋・ヒガクレ荘があるので、夜はのんびり読書もおすすめです」と村松さん。朝はモーニングを食べつつ地元客との会話を楽しみ、街へと繰り出したい。駿府城公園までは徒歩15分ほどだ。
文/内山沙希子
泊まれる純喫茶 ヒトヤ堂
TEL:054-687-8458
宿泊料金:1泊素泊まり3500円~(朝食500円~)
客室数:個室1室、ドミトリー2室(男女共用は定員12人、女性専用は定員6人)
住所:静岡市葵区七間町16-8
交通:東海道新幹線静岡駅から徒歩12分/東名高速静岡ICから4キロ
※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2024年6月号)
(Web掲載:2024年7月23日)