【ひみつのかき氷】氷の聖地・奈良のおすすめかき氷
氷の神を祀(まつ)る氷室(ひむろ)神社や、古代の氷室跡がある奈良。「氷の聖地」をうたう地で、魅力的なかき氷が続々と誕生している。奈良県唯一の製氷メーカー「日乃出製氷」が中心となり、かき氷巡りに便利な『奈良かき氷ガイド』を発行している。2024年度版には51店が掲載され、町全体で 〝かき氷熱〟が上昇中。
堀内果実園は五條市にある果樹専門農家の直営店で、完熟フルーツを使ったかき氷が人気だ。氷は日乃出製氷のブランド純氷「大和氷室」を使用。72時間かけて凍らせた氷は溶けにくいため薄く削れるそうで、ふわっと軽い口溶けに驚いた。とろける果実との相性も抜群だ。
堀内果実園 奈良三条店
丸ごとメロン ◎1980円
メロンを丸ごと楽しめる季節限定のかき氷。メロンボールが彩るかき氷を、エスプーマ※ミルクと自家製梅シロップが引き立てる。皮を使った器も果肉たっぷり。メロンのメニューは9月頃まで(提供時期と金額は変動あり)。※ムースのような泡状にすること
営業:10時〜18時30分/無休
交通:近鉄奈良駅から徒歩5分
住所:奈良市角振町23
問い合わせ:TEL 0742-93-8393
公式サイトはこちら
ほかにも「大和氷室」を使う店を巡ってみた。茶論(さろん)奈良町店は硬めのシャリッとした氷があんこや白玉とマッチ。対して「kakigori(かきごおり) ほうせき箱」はふわふわを極めた氷で淡雪のような口溶け。シロップとマスカルポーネ、蜂蜜などが織りなす繊細な味のハーモニーを堪能できる。
茶論 奈良町店
白いかき氷 ◎1320円+飲み物代
あんこと白玉、練乳はならまちの和菓子店・樫舎(かしや)謹製。「濃茶(こいちゃ)」(220円)のトッピングも人気だ。喫茶のほか茶道体験も楽しめ、かき氷は9月頃までで1日の提供数に上限あり。注文は飲み物とセットでどうぞ。
営業:10時〜18時30分/無休
交通:近鉄奈良駅から徒歩8分
住所:奈良市元林院町31-1
問い合わせ:TEL 0742-93-8833
公式サイトはこちら
kakigori ほうせき箱
カシューベリー ◎1600円
カシューナッツをじっくり煮詰めたソースが絶品。奈良市にある県内最古の牧場・植村牧場の搾りたて牛乳で作るミルクシロップもコク深い。エスプーマを関西でいち早く取り入れた先駆店。
営業:10時〜12時、13時〜16時50分(土・日曜、祝日は〜15時20分)/木曜休
交通:近鉄奈良駅から徒歩8分
住所:奈良市餅飯殿町47
問い合わせ: TEL 0742-93-4260
公式サイトはこちら
春日野(はるひの)窯ではふんわりとした氷に杏仁(あんにん)豆腐を忍ばせてあり、食感の違いが面白い。シロップで表現する複雑な色彩はまるでアート作品。刻一刻と溶けてゆく氷は、はかない美しさも魅力なのかも。
春日野窯
杏仁花山こほり ◎1200円
ハーブティーから抽出した青色と、ブルーベリーの淡い薄紫が映えている。生クリームの風味豊かな自家製の杏仁豆腐が、氷の中にひそんでいるのもポイント。陶芸工房に併設されたカフェなので、器もあわせて鑑賞したい。
営業:11時〜16時30分(かき氷は13時〜)/火・水・木曜休
交通:近鉄奈良駅からバス8分、春日大社本殿下車徒歩5分
住所:奈良市春日野町158-9
問い合わせ:TEL 0742-23-3557
公式サイトはこちら
福住の復元氷室
氷を保存するための古代の氷室跡が、天理市福住町の氷室神社周辺に点在している。そのうちの一つを復元し、例年2月~7月に氷を貯蔵している(貯蔵期間中は内部の見学不可)。
営業:見学自由
住所:天理市福住町
交通:桜井線天理駅からバス24分、国道福住下車徒歩27分/名阪国道福住ICから2㌔
問い合わせ:TEL 0743-69-2001(福住公民館)
文/北浦雅子 写真/宮川 透
※記載内容はすべて掲載時のデータです。メニューが終了している場合もあります。
(出典:「旅行読売」2024年8月号)
(Web掲載:2024年8月22日)