高地や高原の山上 天上の涼6選【日本の涼景】
最近、酷暑の夏が続いています。今年の夏は涼しいところへ旅して、思い切り爽やかな気分を味わってみませんか。①高地や高原の山上 ②渓流や湖の水辺 ③洞窟や氷穴の地下④ぬる湯の温泉―の4 つのカテゴリーに分け、涼景を楽しむフレッシュな夏旅を紹介します。
旭岳<北海道>
ロープウェイで手軽に山歩きへ
大雪山連峰の主峰で北海道の最高峰。日本百名山の一つで標高は2291メートル。山麓駅から標高1600メートルの姿見駅までロープウェイで500メートル上がると、冷涼な空気に包まれる。山頂を目指す場合は登山装備が必要だが(片道2時間半)、1周1.7キロ、約1時間で五つの展望台を巡る遊歩道があり、手軽にトレッキングを楽しめる。7月は真っ白なチルマが咲き乱れ、エゾシマリスなどの動物に出会えることも。山麓駅近くには旭岳温泉の宿が複数あり、汗を流したい。
営業:8時~16時45分(上り最終・日による)/往復3200円(11月~5月は同2400円)/無休
交通:函館線旭川駅からバス1時間50分、旭岳下車すぐ/道央道旭川北ICから52キロ
住所:東川町旭岳温泉
問い合わせ:TEL0166-68-9111
渋峠<群馬・長野>
一度は訪れたい国道の最高地点
群馬県中之条町と長野県山ノ内町の境にある峠。標高は2172メートル。国内で最も標高が高い所に位置する国道292号「志賀草津高原ルート」(冬季閉鎖)の最高地点でもある。ライダーやサイクリストの聖地になっていて、石碑の前で記念写真を撮る人や、すぐそばの渋峠ホテルで「日本国道最高地点の到達証明」100円を購入する人も多い。夜は満天の星が広がる。群馬県側は草津温泉や万座温泉、長野県側は志賀高原や湯田中・渋温泉郷があり、行きか帰りに寄りたい。
営業:10時~15時/1泊2食1万2100円~/不定休
交通:長野電鉄湯田中駅からバス1時間、渋峠下車すぐ/上信越道信州中野ICから37キロ、または関越道渋川伊香保ICから77キロ
住所:山ノ内町平穏志賀高原渋峠
問い合わせ:TEL0269-34-2606
白馬< 長野>
新宿発の臨時の夜行列車で直行も
北アルプスの白馬三山の麓にあり、夏は登山や避暑地として知られる白馬村。今夏は、新宿-白馬駅間で夜行の臨時特急「アルプス」が運行され便利(新宿23時58分発、白馬6時22分着)。標高1289メートルに広がる白馬岩岳マウンテンリゾートは、三山を見渡せる絶景テラス「HAKUBA MOUNTAIN HARBOR(ハクバ マウンテン ハーバー)」のほか、超大型ブランコやマウンテンカート、キャンプ場など、各種体験を用意。トレッキングを楽しみたいなら、八方アルペンラインや栂池(つがいけ)自然園がおすすめ。
営業:施設により異なる/11月17日まで無休
交通:大糸線白馬駅からシャトルバス15分、岩岳ゴンドラ下車すぐ(白馬駅発は8時30分〜)/上信越道長野ICから49キロ、または長野道安曇野ICから54キロ
住所:白馬村北城12056
問い合わせ:TEL0261-72-2474
高ボッチ高原< 長野>
キャンプ気分も味わえる絶景高原
塩尻市と岡谷市にまたがる高ボッチ山(1665メートル)に広がる高原。山頂からは360度の眺望が開け、北アルプスの山々をはじめ、諏訪湖、南アルプス、富士山などの大パノラマを望める。夏は牛が放牧され、ハクサンフウロやマルバダケブキなどの高山植物も咲く。市内中心部より5度は気温が低いという涼しい高原をのんびり歩きたい。キャンプ場もあり、宿泊やデイキャンプのほか、道具を借りてオリジナルコーヒーをいれる体験(1000円)も可。秋は雲海が広がる。
四国カルスト< 愛媛・高知>
草原と森が広がる台地を散策
山口県秋吉台、福岡県平尾台とともに日本三大カルスト※の一つ。東西の広さ約25キロ、標高1000メートル~1500メートルは、カルスト台地としてはどちらも日本一。愛媛・高知の県境の台地を縦断する県道383号(四国カルスト公園縦断線)が整備され、爽快なドライブが楽しめる。東端の天狗(てんぐ)高原は、白い石灰石や草を食(は)む
放牧牛が点在する草原が広がり、ブナやカラマツの原生林も見られる。星空の名所で、天文台やプラネタリウムを備える宿「星ふるヴィレッジTENGU(てんぐ)」もある。
※カルスト地形…石灰岩が雨水や地下水などに浸食されて生まれた特殊な地形
皿倉< 福岡>
ケーブルカーで行く日本一の夜景
2022年に夜景観光コンベンション・ビューローが認定した「日本新三大夜景」都市で1位に選ばれた北九州市の夜景を一望できる。山麓からケーブルカー(6分)とスロープカー(3分)を乗り継ぎ、到着する標高622メートルの山頂に立てば、門司(もじ)港や関門(かんもん)海峡、小倉(こくら)のきらめく工場夜景が視界いっぱいに広がる。気温は麓より5度ほど低い。夕方に上り、徐々に暗くなる中、夜風の涼しさを感じながら、町明かりが増えていく変化を楽しむのがおすすめ。展望台レストランもある。
営業:10時~21時20分(冬季は異なる)/往復1230円/火曜休(祝日と8月13日は営業)
交通:鹿児島線八幡駅からシャトルバス10分(平日は夜運行)/北九州高速大谷出口から2キロ
住所:北九州市八幡東区尾倉1481-1
問い合わせ:TEL093-671-4761
※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2024年8月号)
(Web掲載:2024年9月26日)