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【47都道府県 行きたい道の駅】北海道の穴場 道南日本海沿岸の個性光る3駅を巡る(2)~上ノ国もんじゅ~

場所
> 檜山郡、松前郡
【47都道府県 行きたい道の駅】北海道の穴場 道南日本海沿岸の個性光る3駅を巡る(2)~上ノ国もんじゅ~

元は町の図書館だったという建物。晴れた日は奥尻島も見える

 

地域の魚の付加価値を高め名物に

【47都道府県 行きたい道の駅】北海道の穴場 道南日本海沿岸の個性光る3駅を巡る(1)~江差~から続く

隣の上ノ国町にある道の駅上ノ国もんじゅは、強風と波が作り上げた岩石海岸地形が特徴の檜山(ひやま)道立自然公園内に位置する。日本海を望む横19メートル×高さ2.7メートルの大窓から左下を見れば施設名の由来である「もんじゅ岩」が見え、右には龍神伝説の残る岩場もある。

漁師が、知恵を司る文殊菩薩に見立てたとも、その中に像がまつられていたとも言われるもんじゅ岩

名物は「てっくい天丼」。てっくいとは6月~8月の産卵期に岸に集まるヒラメのことで、漁師が手を食われそうになるほど巨大ということからそう呼ばれるように。刺し身には不向きで市場価値は低く、その活用法として考えたのが天丼だったと館長の布施友樹さんが教えてくれた。道の駅で仕入れているのは6キロ以上のもので、通常の倍以上のサイズだ。食べてみると、分厚い身がふわっふわでジューシー。甘いたれとも合う。サクサクの衣の食感も楽しくあっという間に完食。これが市場価値の低い魚とは信じられなかった。

てっくい天丼1200円。サクサク、フワフワの名物
上ノ国産のエビを砕きうま味を煮出した後に豚骨ベースと合わせたスープが香る海老ラーメン1000円
(左)かたこもち1個140円~。黒糖と米粉を合わせた生地を型に入れて模様を付けた郷土菓子(右)天野川漬け1350円。スルメイカ、コンブにスケソウダラとアワビを加えたオリジナル商品

宿泊は町中から車で20分ほどの「上ノ国ワイナリー」へ。「サテライトオフィス」との複合施設で、客室はシングルが中心だ。建物は廃校になった小学校を活用したもの。学校だった当時のままという、木のぬくもりを感じる広いフリースペースもある。ワインの初リリースは2021年。上ノ国町産のブドウを使ったものも近年中には完成予定だそう。穴場的なこの地がメジャーになる日も近いかもしれない。

文/市村雅代 写真/川村 勲

【47都道府県 行きたい道の駅】北海道の穴場 道南日本海沿岸の個性光る3駅を巡る(3)~北前船松前~へ続く(10/21公開)

上ノ国ワイナリー&サテライトオフィス

旧湯(ゆ)ノ岱(たい)小学校の体育館でワインを造り、校舎部分にワインショップと客室を備える。夕食のバーべキューセット(3500円)は、町内で生産するフルーツポークのほか牛肉、ラム肉とボリューム満点。宿泊者はショップで販売するワイン10%割引の特典あり。

■素泊まり9000円~(シングルルーム)/函館・江差道木古内ICから26キロ/TEL0139-56-1260


道の駅上の国もんじゅ
TEL:0139・55-3955
住所:上ノ国町原歌3
営業:【レストラン】11時~14時30分/無休(11月~3月は月曜〈祝日の場合は翌平日〉休)、年末年始休【特産品販売所】9時~17時(11月~3月は10時~)/無休(11月~3月は月曜〈祝日の場合は翌平日〉休)、年末年始休
交通:道央道落部ICから70キロまたは函館・江差道木古内ICから45キロ
駐車場:【普通車】167台【大型車】3台

私のおすすめ!

館長/布施友樹さん
コロナ禍で町内産米使用の「かにめし」(600円)を始めました。早くに売り切れる人気商品になっています。

※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2024年9月号)
(Web掲載:2024年10月20日)


Writer

市村雅代 さん

出版社勤務ののち約1年半の放浪を経て2011年より北海道暮らし。「いつか山と雪のある場所で暮らす」という夢を叶える。13年よりフリーランスの編集・ライターに。以前はもっぱら海外旅行派だったが北海道暮らしを始めてからは道内旅行が中心になる。道内の179市町村で、観光地「じゃないほう」の土地に行き、ひなびた銭湯に行くのが楽しみ。北海道観光マスター。

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