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【47都道府県 行きたい道の駅】北海道の穴場 道南日本海沿岸の個性光る3駅を巡る(3)~北前船松前~

場所
> 檜山郡、松前郡
【47都道府県 行きたい道の駅】北海道の穴場 道南日本海沿岸の個性光る3駅を巡る(3)~北前船松前~

うみかぜテラス。晴れた日には海の向こうに岩木山が見え、振り返れば松前城が見える

 

郷土料理で良質な素材を満喫

【47都道府県 行きたい道の駅】北海道の穴場 道南日本海沿岸の個性光る3駅を巡る(2)~上ノ国もんじゅ~から続

2日目も右手に海を見ながらのドライブが続く。江差からずっと国道228号を走っているが、弧を描く砂浜や風力発電の風車が林立する景色が突然眼前に現れることもしばしば。飽きることがない。

1時間15分ほどで道の駅北前船松前に到着。目の前は津軽海峡だ。レストランにはマグロをはじめ地元の海産物を使ったメニューがそろう。目を引くのは郷土料理の「松前岩のりだんだん」。ご飯と前浜で採れた岩のり、しょうゆとだしを2段重ねたシンプルなものだが、口にすると、のりだけでこんなに⁈というほど磯の香りが鼻を抜ける。想像していなかった「ごちそう感」がある。

松前港で水揚げされた天然のマグロを味わえる「松前本まぐろ丼」2180円
「松前岩のりだんだん」1500円

岩のり、そして小鉢で付くマグロのしぐれ煮などは売店でも販売。いずれも道の駅オリジナル商品だ。上ノ国もんじゅもそうだったが、売店には自社工場製品が多い印象だ。上ノ国もんじゅの布施さんは「町内に委託先がないので自分たちで作るしかない」と苦肉の策であることを教えてくれたが、北前船 松前の工藤瑞紀さんは周辺にライバルとなる大規模な道の駅ができ始めたことも意識していると話す。いずれにせよ「ここでしか買えない商品」はこの場を訪れる大きな理由になるだろう。

(左)松前産ミズダコ使用のたこキムチ600円(中)スルメイカとコンブで昔ながらに仕上げた松前漬け800円。他社製も含め常時12種の松前漬けがそろう(右)松前で春に採れる軟らかいワカメを使った混ぜご飯の素。810円。すべてオリジナル商品

旅の2日間は小雨のぱらつく曇天で、景色自慢の三つの道の駅では訪れるたびに残念がられた。ただ、そのおかげで景色に頼らないそれぞれの良さを見つけられたと言ったら言い過ぎだろうか。函館空港から一筆書きで245キロ。1泊2日という短時間ながら印象的な旅となった。

文/市村雅代 写真/川村 勲

松前の寺町

松前城の北側にあるエリア。戊辰戦争の戦火を免れ、国の重要文化財に指定されている龍雲院、法源寺(山門)など五つの寺がある。巨木が生い茂る石畳に歴史の重みを感じる。

■函館・江差道木古内ICから58キ/TEL0139-42-2726(北海道まつまえ観光物産協会)


北前船 松前
TEL:0139-46-2211
住所:松前町唐津379
営業:【レストラン】11時~14時30分/12月31日~1月2日休【売店】9時~17時/12月31日~1月2日休 
交通:函館・江差道木古内ICから58キロ
駐車場:【普通車】70台【大型車】3台(繁忙期は使用できない場合あり)

私のおすすめ!

売場主任/工藤瑞紀さん
マグロの漁期の9月にはなかおち丼、かまとろ丼も限定で提供します。脳天などの希少部位の販売も行います。

※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2024年9月号)
(Web掲載:2024年10月21日)


Writer

市村雅代 さん

出版社勤務ののち約1年半の放浪を経て2011年より北海道暮らし。「いつか山と雪のある場所で暮らす」という夢を叶える。13年よりフリーランスの編集・ライターに。以前はもっぱら海外旅行派だったが北海道暮らしを始めてからは道内旅行が中心になる。道内の179市町村で、観光地「じゃないほう」の土地に行き、ひなびた銭湯に行くのが楽しみ。北海道観光マスター。

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