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【47都道府県 行きたい道の駅】コラム ユニーク道の駅② アジアありヨーロッパあり、海外旅行の気分を楽しめる

場所
見頃
戸沢村、湯梨浜町、当別町
【47都道府県 行きたい道の駅】コラム ユニーク道の駅② アジアありヨーロッパあり、海外旅行の気分を楽しめる

とざわ(山形)、道の駅燕趙園(鳥取)、北欧の風 道の駅とうべつ(北海道)

全国各地の道の駅には、地元自治体が姉妹都市協定を結ぶなど、縁のある国の文化や建物の様式を取り入れている駅もある。日本にいながら海外を訪れたような気分が味わえる、異国情緒あふれる駅を紹介しよう。

最上川が東西を貫く山形県戸沢村の田園風景が広がる国道沿いに、韓国の宮殿のような施設が突然現れる。「モモカミの里高麗館」の愛称を持つ「とざわ」。1985年に村内の農家の若者が始めたアジア・アフリカの農村リーダーとの交流をきっかけに韓国と縁が生まれ、国際結婚で韓国人女性が村で暮らすようになったことなどから親睦が深まった。

97年には互いの文化を尊重し合える豊かな村づくりを目指し、高麗館を建設。建物や館内の装飾なども韓国風で、民族衣装のチマチョゴリ体験(1500円)もできる。7種の石
焼ビビンバ(1200円〜)を味わえるほか、土産物には13種と豊富な品ぞろえのうめちゃんキムチ(570円〜)が人気だ。

韓国の宮廷を思わせる「とざわ」の外観
館内では韓国の文化や生活様式も紹介。チマチョゴリの試着も

鳥取県湯梨浜町の東郷池の南側にある日本最大級の中国庭園に併設されているのが、「道の駅燕趙園」だ。鳥取県と中国・河北省はともに梨の産地であることから、86年に友好県省を締結。庭園はそのシンボルとして95年に建設され、歴代皇帝が親しんだ皇家園林方式を再現。28の庭園美を持つ庭を巡る。道の駅は2011年に県道を挟んだ反対側に設
置された。

店内は天上からつり下がる龍の巨大オブジェやランタンなどの内装に中国風のこだわりが感じられる。

中国雑貨などは庭園の売店で扱っているため、道の駅では二十世紀梨や町内産野花(のきょう)梅などを使った銘菓や特産品に加え、テイクアウトでB級グルメとして親しまれる牛骨ラーメン(並650円)などを販売している。

中国風の「道の駅燕趙園」の建物
館内も中国風の華やかさ

北海道札幌市の中心部から最も近い道の駅「北欧の風 道の駅とうべつ」(当別町)は、大きな三角屋根を持つベンガラ色の美しい外観が遠くからでも目を引く。当別町の姉妹都市であるスウェーデンのレクサンド市の建造物をモチーフにしているという。道産材を多用した天井の高いアトリウムは休憩にぴったり。開放的で温かみのある雰囲気で、スウェーデン発祥の家具量販店「IKEA(イケア)」のインテリアも使用。北欧製の雑貨や菓子も販売している。

当別町産の新鮮野菜の販売に加え、地元食材をふんだんに使った本格イタリアンのほか、テイクアウトのスープやスイーツなど「食」も充実。9月14日〜23日は開業7周年の「周年祭week(ウィーク)」で期間限定メニューも登場予定だ。

スウェーデンのレクサンド市の建造物を模した「北欧の風道の駅とうべつ」
アトリウムではテイクアウトしたメニューも食べられる

社会の多様化が進む中、独自のスタイルを持つユニークな道の駅も増えている。今後の進化がますます楽しみだ。

文/児島奈美


※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2024年9月号)
(Web掲載:2024年10月24日)


Writer

児島奈美 さん

神戸生まれ。学生時代にバイクで北海道、九州、信州を巡って旅に目覚め、約40か国渡航。1か月のキャンプ旅でも太って帰ってくる食いしん坊で、現在は、旅・グルメ・人物インタビューを中心に、ガイドブックや雑誌、Webなどの制作に携わる。「旅行読売」ではルポがメイン。鉄子や歴女の道も着々と歩む。

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