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【登らない富士山】「富士下山」御中道-奥庭ルート<山梨>(2)

場所
【登らない富士山】「富士下山」御中道-奥庭ルート<山梨>(2)

奥庭自然公園からは夕日に染まる赤富士を望むことも。10月には木々も色付く(写真/岩崎仁)

 

穴場的な景勝地・奥庭へ進む

【登らない富士山】「富士下山」御中道-奥庭ルート<山梨>(1)から続く

御中道はほぼ平坦な道のりで、御庭から下りになる。富士スバルラインを横切り、奥庭展望台への下り坂に入る。山の下りで膝痛を防ぐコツは体を真っすぐにして爪先と膝の方向を正面に向け、足裏全体で着地しながら小刻みに歩くこと。くるぶしまであるトレッキングシューズがおすすめ。麓の天候が良くても、雨ガッパや防寒具は必ず持参したい。

流れたマグマが冷えて固まった溶岩流。富士山の 溶岩流はすべて玄武岩からなる
ハクサンシャクナゲの花が集合して咲くのは昆虫を引き寄せる工夫だ

気さくな母娘が営む山小屋「奥庭荘」に着いたら、下りは終了。ひと休みして、展望台を目指す。途中、上り階段で後ろを振り向くと、再びドーン!と富士山がそびえていた。

「秋には黄金色に染まるカラマツを中心に、ダケカンバの黄色やナナカマドの赤色がアクセントとなる紅葉が楽しめます」

岩崎さんの解説を聞きながら、しばし富士山に見とれていると、山頂に雲がかかり始めた。強風や積雪の影響でテーブル状に広がった木々を横目に、慌てて展望台にたどり着き、麓の眺望をカメラに収めた。

奥庭展望台から雲海を見下ろす
奥庭の天狗(てんぐ)石。伝説では天狗が富士山頂から運んだという

文・写真/内田 晃

【モデルコース👟】

富士スバルライン五合目(標高2305メートル)
↓👟50分
御庭奥庭火口列
↓👟10分
御庭(標高2230メートル)
↓👟20分
奥庭荘
↓👟20分
奥庭展望台(標高2200メートル)
↓👟30分
御庭バス停(標高2230メートル)

周辺の立ち寄りスポット紹介

露天風呂からの絶景!富士山溶岩の湯 泉水<富士吉田市>

微細な気泡が血行を促進する露天風呂からは富士山が見える
前泊にも便利なビジネスホテルが隣接する

富士山の伏流水を使った日帰り入浴施設。男女別の大浴場には二股炭酸カルシウム温泉とヒマラヤ岩塩風呂、ぬる湯、サウナなどがそろう。露天風呂は血行を促進するマイクロバブル風呂で、富士山を眺めながら入浴できる。湯上がりにくつろげる大広間、飲食店もある。
■10時〜22時30分/無休/800円(朝風呂は6時〜8時30分、木曜休、550円)/富士急行線富士山駅から徒歩20分/TEL0555-24-2438

 

 

富士山型の天ぷらはインパクト大!吉田のうどん とがわ<富士吉田市>

富士山コロッケは90円
フードコートなので登山の帰りにも気軽に寄れる
店主の外川新吾さん

富士山駅のフードコート店で、本格的な吉田のうどんが味わえる。吉田のうどんは昭和期に織物工場で働く女性に代わり、男性が製麺したため、コシが強く腹もちがよい。この店では3種類の小麦粉と富士山の伏流水で製麺。富士山うどん840円は富士山をかたどった天ぷら、玉子、肉、キャベツなどボリューム満点だ。
■10時〜18時(麺が売り切れ次第閉店)/木曜休/富士急行線富士山駅ターミナルビル内/TEL0555-23-9858


「富士下山」御中道-奥庭ルート

交通:富士急行線富士山駅からバス55分、富士スバルライン五合目下車すぐ/中央道富士吉田ICから33キロ(9月10日まではマイカー規制のため、富士吉田市の富士山パーキングからシャトルバス)
問い合わせ:TEL055-223-1316(山梨県富士山保全・観光エコシステム推進グループ)

※記載内容はすべて掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2024年10月号)
(Web掲載:2024年11月29日)


Writer

内田晃 さん

東京都足立区出身。自転車での日本一周を機に旅行記者を志す。四国八十八ヵ所などの巡礼道、街道、路地など、歩き取材を得意とする。著書に『40代からの街道歩き《日光街道編》』『40代からの街道歩き《鎌倉街道編》』(ともに創英社/三省堂書店)がある。日本旅行記者クラブ会員

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