【登らない富士山】見ても楽しい富士山 麓からの絶景6選
山頂を目指さず、5合目から下ったり、麓からの絶景を眺めたりする富士山の楽しみ方が注目されています。山頂付近が登山者で渋滞するようなオーバーツーリズムが問題化する中、今年の夏山シーズンは山梨県側で(※)登山規制が実施されました。「富士下山」はそんな状況に対する一つの選択肢にもなります。頂に立たなくても満喫できる富士山の魅力とは―。
※富士山登山規制(山梨県側、2024年7月1日~9月10日)
◎吉田ルート五合目登山道入り口ゲートを16時~翌日3時まで閉鎖
◎1日の登山者が4000人に達した場合は通行を規制
◎登山者から通行料2000円と任意の富士山保全協力金1000円を徴収
長池親水公園<山梨・山中湖村>
ダブルダイヤモンド富士を拝める日
山中湖の北岸にあり、湖を挟んで富士山が間近に迫る。風がない日は湖面に反射する「逆さ富士」が見えるほか、11月上旬と2月上旬の夕方には富士山の山頂に太陽が沈む「ダイヤモンド富士」を拝めることもある。湖に映る逆さ富士でもダイヤモンド富士の現象は見えるため、条件が合えば「ダブルダイヤモンド富士」を目撃できる。山中湖でダイヤモンド富士を見られるのは夕日の時間帯だが、冷え込む時期なので、しっかりとした防寒対策が必要だ。
交通:富士急行線富士山駅から周遊バス「ふじっ湖号」30分、長池親水公園前下車すぐ/東富士五湖道路山中湖ICから4キロ
住所:山中湖村平野
問い合わせ:TEL0555-62-9977(山中湖村観光課)
河口湖もみじ回廊<山梨・富士河口湖町>
真っ赤なモミジとのコラボレーション
河口湖周辺は、富士山を望めるスポットが多い。梨川に沿って続くモミジの回廊もその一つだ。大正時代、水害防止のために地域住民がモミジを植え始めたのをきっかけに整備され、現在は全長150メートル、約60 本になった。10月下旬から11月中旬には紅葉が見頃を迎え、富士山が入った風景が美しい。10月26日~11月20日に「第26回富士河口湖紅葉まつり」が行われ、日没から21時30分までライトアップされる。夜の紅葉も見ごたえ十分だ。
交通:富士急行線河口湖駅からバス20分、久保田一竹美術館下車徒歩3分/中央道河口湖ICから3キロ
住所:富士河口湖町河口
問い合わせ:TEL0555-72-3168(富士河口湖町観光課)
富士吉田市農村公園<山梨・富士吉田市>
季節ごとに姿を変える水田と雄峰
富士吉田市の中心部から南へ約3キロ、のどかな田園地帯にある公園。園内に広がる芝生の正面に鎮座する富士山も美しいが、周辺にある水田との組み合わせが魅力的だ。水を張った田んぼに名峰が反射する春、稲が勢いよく成長し、緑がまばゆい夏。実った穂がこうべを垂れ、黄金色に輝く秋。季節に応じた良さがあり、年間を通じて写真愛好家が多く訪れるというのも納得だ。近くには、富士山信仰をテーマにしたふじさんミュージアム、気象や防災について学べる富士山レーダードーム館もあり、あわせて訪れたい。
交通:富士急行線富士山駅からバス10分、セメ草下車徒歩10分/中央道河口湖ICから5キロ
住所:富士吉田市上吉田東
問い合わせ:TEL0555-21-1000(ふじよしだ観光振興サービス)
三ノ岡眺望地<静岡・御殿場市>
富士山と白亜の塔との組み合わせ
御殿場市南東部の富士仏舎利塔(ぶっしゃりとう)平和公園の近くに、同市の富士山眺望保全活用プロジェクトの一環として整備された。プロジェクトの一環として整備された。稜線(りょうせん)が左右均等にバランスよく延びる富士山と高さ47メートルの白亜の仏舎利塔を望む風景が広がる。
付近には、「美しい日本の歩きたくなる道500選」の一つにもなっている「秩父宮記念公園と富士山絶景のみち」(全長5.4キロ)があり、回遊するのも良い。11月から12月上旬は紅葉も美しい。富士山の絶景に公園の木々の彩りが加わり、普段にも増してにぎわう季節を迎える。
交通:御殿場線御殿場駅からバス20分、東山下車徒歩5分/東名高速御殿場ICから2キロ
住所:御殿場市東田中
問い合わせ:TEL0550-82-4349(御殿場市未来プロジェクト課)
ふじさんてらすMierula<静岡・富士市>
富士市役所の屋上から手軽に楽しめる
富士山が2013 年に世界文化遺産に登録された際、富士市役所の屋上に設置された展望スペース。眼下に富士市の街並みが広がり、その向こうに富士山や愛鷹山(あしたかやま)を見渡せる。階段を上り、より高い場所から眺望を楽しめる富士山展望デッキにも立ち寄りたい。平日と、1月を除く第1日曜と3月の最終日曜の休日開庁日に無料で開放。5月の大型連休や元日も特別開放を行う。名称の「Mierula」は、富士市の方言「見えるらぁ~(見えるでしょ)」からとった。
交通:東海道線富士駅からバス15分、富士市役所前下車すぐ/東名高速富士ICから3キロ
営業:8時30分~17時15分(10月~3月の平日は~16時。休日開庁日は9時~16時)
住所:富士市永田町1-100
問い合わせ:TEL0545-55-2958(富士市シティプロモーション課)
田貫湖富岳テラス<静岡・富士宮市>
4月に改装された湖畔のテラス
富士山の西麓、朝霧高原の一角にある田貫湖。その西岸、休暇村富士の前のテラスが2024年4 月、リニューアルされた。湖面との一体感をコンセプトに、テラスの床板に富士ヒノキを使用するとともに、高さを約30センチ下げ、傾斜の角度も変更。富士山だけでなく、湖面に映る逆さ富士も美しく観賞できるように調整された。日中は湖や森の木々の向こうに富士山が鎮座する絶景が、夜は満天の星を堪能できる。整備された散策道やサイクリングロードもあり、のんびり過ごせる。
交通:身延線富士宮駅からバス45分、休暇村富士下車すぐ/新東名高速新富士ICから24キロ
住所:富士宮市佐折
問い合わせ:TEL055-931-3261(関東地方環境事務所富士箱根伊豆国立公園管理事務所沼津管理官事務所)
※記載内容はすべて掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2024年10月号)
(Web掲載:2024年12月2日)