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【登らない富士山】山頂を目指さないおすすめルート4選

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【登らない富士山】山頂を目指さないおすすめルート4選

宝永第一火口には圧倒的な景色が広がる。火口底にも下りられる

山頂を目指さず、5合目から下ったり、麓からの絶景を眺めたりする富士山の楽しみ方が注目されています。山頂付近が登山者で渋滞するようなオーバーツーリズムが問題化する中、今年の夏山シーズンは山梨県側で(※)登山規制が実施されました。「富士下山」はそんな状況に対する一つの選択肢にもなります。頂に立たなくても満喫できる富士山の魅力とは―。

※富士山登山規制(山梨県側、2024年7月1日~9月10日)
◎吉田ルート五合目登山道入り口ゲートを16時~翌日3時まで閉鎖
◎1日の登山者が4000人に達した場合は通行を規制
◎登山者から通行料2000円と任意の富士山保全協力金1000円を徴収


吉田口ルート ◉山梨

富士山信仰の歴史の足跡をたどる

冨士御室浅間神社の本殿。本宮は河口湖畔の里宮へ移された
馬返しでは、猿の石像が登山者を見守る

江戸時代から富士講の巡礼者が往来した古道だが、富士スバルラインが1964 年に開通して以降は人通りも少なくなった。富士スバルライン五合目までバスで上り、スタート直後は緩やかな石畳の道を歩く。佐藤小屋からはやや険しい森林の中の山道。点在する神社や山小屋の廃屋が年月の経過を感じさせる。馬返しで富士山駅行きのバスに乗れるが、吉田口登山道の起点である北口本宮浅間神社まで下りることもできる。

富士スバルライン五合目(標高2305メートル)
 ↓👟30分
佐藤小屋(同2230メートル)
 ↓👟10分
雲切不動神社(同2170メートル)
 ↓👟45分
冨士御室浅間神社(同1700メートル)
 ↓👟40分
馬返し(同1440メートル)

※トレッキングルート👉こちら

交通:富士急行線富士山駅からバス55分、富士スバルライン五合目下車すぐ/中央道富士吉田ICから33キロ(9月10日まではマイカー通行規制のため、富士吉田市の富士山パーキングからシャトルバス)
問い合わせ:TEL055-223-1316(山梨県富士山保全・観光エコシステム推進グループ)


水ヶ塚公園ルート ◉静岡

大迫力の富士山を望み中腹を周遊

水ヶ塚公園の駐車場から大迫力の富士山が望める
巨大な岩壁がそびえ立つ幕岩

富士の頂を間近に望む大迫力の眺望で知られる水ヶ塚公園を発着点とする周遊ルート。水ヶ塚公園まではバスやマイカーで行ける。須山上り一合五勺(しゃく)まで須山口登山道を登り、そこからは富士山自然休養林の豊かな木々の間を散策するハイキングコース。幕岩を過ぎると視界が開け、二ツ塚下塚からは富士の高嶺(たかね)と麓の絶景が両方とも眺められる。帰りは下りが続き、須山御胎内(おたいない)には富士山の神様の石像が安置されている。

水ヶ塚公園(標高1450メートル)
 ↓👟40分
須山上り一合五勺(同1622メートル)
 ↓👟50分
幕岩(同1674メートル)
 ↓👟55分
二ツ塚下塚(同1804メートル)
 ↓👟75分
須山御胎内(同1450メートル)
 ↓👟40分
水ヶ塚公園

※トレッキングルート👉こちら

交通:御殿場線御殿場駅からバス55分、水ヶ塚公園下車すぐ/新東名高速新御殿場ICから17キロ
問い合わせ:TEL055-992-5005(裾野市観光協会)


宝永火口ルート ◉静岡

宝永の大噴火で生まれた火口に迫る

直径1200メートルの宝永山第一火口は圧倒的なスケール
10月には冠雪とカラマツの黄葉が重なることも

江戸中期の1707 年に起きた「宝永大噴火」の火口を巡る。富士山では最も新しい噴火で、南東斜面に宝永山が生まれた。富士山スカイラインで富士宮口五合目まで上り、遊歩道を歩く。宝永山を見上げ、雄大な火口の縁を回る。第二火口を過ぎると、森林限界のカラマツなどの樹林帯が広がる。富士宮口五合目や御殿場口新五合目までのバスは9月10 日で運行を終了するので、それ以降はタクシーか各種ツアーに参加するとよい。

富士宮口五合目(標高2380メートル)
 ↓👟40分
宝永山第一火口(同2420メートル)
 ↓👟25分
宝永山第二火口(同2360メートル)
 ↓👟130分
二ツ塚下塚(同1804メートル)
 ↓👟30分
御殿場口新五合目(同1440メートル)

※トレッキングルート👉こちら

交通:東海道新幹線新富士駅からバス2時間5分、富士宮口五合目下車すぐ(運行は9月10日まで)/東名高速裾野ICから37キロ(9月10日まではマイカー通行規制のため、裾野市の水ヶ塚公園からシャトルバス)
問い合わせ:TEL0545-64-3776(富士山観光交流ビューロー)


大砂走りルート ◉静岡

火山灰の砂利道を豪快に走り下る

火山礫の上を思い切り駆け抜けたい
御殿場口新五合目近くの大石茶屋で休憩できる

宝永大噴火で降り積もった火山灰の砂礫地(されきち)を走り下りる富士山ならではの野性味あふれる下山ルート。富士宮口五合目から宝永山の麓を歩き、下り六合を右に折れると大砂走りに合流する。ここから御殿場口新五合目まで標高差1300メートル超を一気に下る。眼下には箱根の山並みや駿河湾が広がる。やはり富士宮口五合目や御殿場口新五合目までのバスは9 月10 日までなので、それ以降はタクシーか各種ツアーを利用する。

富士宮口五合目(標高2380メートル)
 ↓👟40分
宝永山第一火口(同2420メートル)
 ↓👟60分
下り六合(同2767メートル)
 ↓👟100分
大砂走り
 ↓👟45分
御殿場口新五合目(同1440メートル)

※トレッキングルート👉こちら

交通:東海道新幹線新富士駅からバス2時間5分、富士宮口五合目下車すぐ(運行は9月10日まで)/東名高速裾野ICから37キロ(9月10日まではマイカー通行規制のため、裾野市の水ヶ塚公園からシャトルバス)
問い合わせ:TEL0545-64-3776(富士山観光交流ビューロー)


※記載内容はすべて掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2024年10月号)
(Web掲載:2024年11月30日)


Writer

たびよみ編集部 さん

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