【旅して開運】コラム 巳年の初詣におすすめの神社は?
金蛇水神社の境内に並べられている蛇紋石
プロフィール
佐々木優太(ささき・ゆうた)
昭和59(1984)年、兵庫県出身。タレント、シンガーソングライター。「神社ソムリエ」としても活動し、これまでに全国1万5000社以上の神社を参拝。約4400の御朱印を集めた。テレビ、ラジオでも活躍。柔道、居合道など武道もたしなむ。著書に『全国1万社を巡った僕が見つけた 開運!あやかり神社』(双葉社)。YouTube「神社ソムリエのあやかりチャンネル」も好評配信中。
目に映らない水が「龍」で、目に映る水が「蛇」
僕が全国の1万5000社を回って気付いたのは、「龍」と言われているものが、地下水脈を表すということです。地下水脈のことはみんな知っていますが、実際に見たことはない。それは龍と同じです。私は龍と蛇というのは水のことだと思っていて、目に映らない水が「龍」で、目に映る水が「蛇」。これが良い年を迎えるためのキーワードになると思います。
来年は巳年なので、初詣は蛇にまつわる神社にお参りするのもよいでしょう。宮城県岩沼市の金蛇水(かなへびすい)神社は、金運あらたかと言われて参拝者が絶えない神社です。蛇紋石(じゃもんせき)という蛇の模様が入った不思議な石が全国から奉納され、その石に財布をパタパタ当てると金運が上がると言われています。神社の前の参道テラスもおしゃれな店が並んでいて、旅としても楽しめます。
東京・品川区の蛇窪神社は、その昔、この地にいた白蛇がいなくなってしまい、また戻ってきたという由緒があります。高僧が雨乞いして成就したというエピソードもあり、いわゆる「復活」というキーワードがある神社です。金運や健康運などすべての巡りをよくして元気づけてくれる、復活させてくれる神様だと思います。
宮崎県日向市の鵜戸(うど)神社は海辺の洞窟の奥にあるのですが、参拝に上がって振り返ると、洞窟の入り口が昇り龍の形に見えます。これは自然のものではなく、人間の手で彫られたとみられているんです。境内には蛇をかたどった巨石もあり、辰(たつ)年から巳年への年替わりにぜひ参拝に上がっていただきたい神社です。
神社を選ぶ際に注目していただきたいポイントもあります。私は「木」がよいところは「気」もよいところだと思っています。大きな木がある神社、地面が苔(こけ)むしている神社、社殿の屋根などに緑が萌も えている神社。巨木があったり、苔むしていたりということは、その下に地下水脈がある証拠です。だから、木がよいところは気もよくなるというわけです。
開運という意味で最近、話題になっているのが、「御刻印(ごこくいん)」というお守りです。静岡県浜松市の天王宮大歳(てんのうぐうおおとし)神社など全国約80か所の社寺で頒布されていて、革製のお守りにオリジナルの刻印を打って、御朱印のように集められるんです。各地の神社や寺院を参拝するバイク乗りたちに注目されるようになり、最近ではデザインがおしゃれなので、女性にも人気を集めています。
また龍と蛇の話に戻りますが、地下水脈と同様に、地中の水道管も僕らには見ることができないですよね。でも、蛇口をひねると水がジャーッと出てきます。だから、目に見えない水が龍で、見える水が蛇というわけです。干支(えと)の中で龍だけが架空の動物で、誰も実物を見たことはありません。
ということは、令和6(2024)年の辰年の人目に映らない努力や頑張りが、令和7年の巳年になると形となって現れてくると僕は考えています。実(巳)になる年というのを心に留めて過ごしていただければ、きっと良い年になるのではないでしょうか。
話/佐々木優太(神社ソムリエ)
聞き手/山脇幸二
(出典:「旅行読売」2025年1月号)
(Web掲載:2024年12月25日)