新1万円札の顔 渋沢栄一翁の故郷を歩く
旧渋沢邸「中の家」正門
大河ドラマの主役として描かれ、新1万円札の肖像となった渋沢栄一
2021年の大河ドラマの主役として描かれ、2024年7月には新1万円札の肖像となった渋沢栄一。血洗島(ちあらいじま<現深谷市>)の農家に生まれ、幕末に幕府に仕えて渡欧。明治政府では大蔵省に勤めた後、500もの会社や600の団体の設立に関わった。
生地「中の家(なかんち)」は養蚕農家だった面影が残る主屋の中に、アンドロイドシアターができた。栄一本人から家族や仲間のことを聞き、人間関係を把握してからまち歩きを始めよう。栄一のいとこで学問の師でもあった尾高惇忠(じゅんちゅう)の生家や、栄一の講義を受けられる渋沢栄一記念館、拝殿を栄一が寄進した血洗島の鎮守・諏訪神社は「中の家」から徒歩圏内にある。
旧渋沢邸「中の家」
栄一の生地。主屋を囲むように正門や土蔵などが立つ。アンドロイドシアターでは、80代の栄一が四つのストーリーを語る。
■9時~17時/年末年始休/無料/TEL048-587-1100(渋沢栄一記念館)
尾高惇忠生家
後に富岡製糸場の初代場長となる惇忠の生家。2階で栄一らと高崎城乗っ取りの密議をしたといわれる。
■9時~ 17時/年末年始休/無料/TEL048-587-1100(渋沢栄一記念館)
渋沢栄一記念館
栄一ゆかりの資料を展示。講義室ではアンドロイドによる道徳経済合一説の講義を1時間ごとに行う(要予約)。
■9時~17時/年末年始休/無料/TEL048-587-1100
諏訪神社
明治期にレンガ製造施設があったことから、レンガ建築やレンガ風の建物が多い。東京駅を模した深谷駅舎や尾高惇忠生家にある蔵、国重文の誠之(せいし)堂、酒蔵の跡地を活用した七ツ梅横丁など、レトロな雰囲気をそこここで感じられる。体が冷えたら、栄一が好んで食したという野菜たっぷりの煮ぼうとうで温まろう。
誠之堂
栄一が頭取を務めた第一銀行の行員から贈られたレンガ建築で、東洋的な意匠も取り入れている。隣接地に白壁の清風亭が立つ。
■9時~17時(入館16時30分まで)/年末年始休/無料/TEL048-577-4501(深谷市文化振興課)
七ツ梅横丁
麺屋忠兵衛煮ぼうとう店
「中の家」隣接の煮ぼうとう専門店。しょう油味の煮ぼうとう850円。床の間に栄一の書が掛けられている。
■11時~14時/年末年始休/TEL048-598-2410
<交通>
鉄道/東京駅から高崎線1時間30分、深谷駅下車
車/関越道花園ICから10キロ
<問い合わせ>
深谷市渋沢栄一政策推進課
TEL:048-577-5061
(出典:旅行読売2025年3月号)
(Web掲載:2025年1月29日)