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【取り寄せできない東京・大阪みやげ】笹巻けぬきすし 笹巻けぬきすし総本店(東京・神田小川町)

場所
> 千代田区
【取り寄せできない東京・大阪みやげ】笹巻けぬきすし 笹巻けぬきすし総本店(東京・神田小川町)

笹巻けぬきすし7個入りは、エビ、白身、光り物、おぼろ、玉子、かんぴょう海苔巻き×2

江戸の味を伝える東京最古のすし店の名物

創業は1702年。江戸・元禄の時代で、赤穂(あこう)浪士が吉良邸に討ち入りをした年である。松の鮨(すし)、与兵衛寿司(よへえすし)とともに「江戸三鮨」に数えられ、人気を集めてきた。

笹巻けぬきすしは、戦国時代、笹の葉でご飯を包んで兵糧にしたという故事に習って考案された。魚の小骨を毛抜きで抜くことから、けぬきすしの名が付けられたという。

江戸の粋を感じられる二重の包みを開けると、クマザサに巻かれたすしに昔ながらの風情を感じる。すし飯は日持ちを考え、酢がキリッと強め。すしだねはタイ、甘めのおぼろ、薄焼き玉子、かんぴょう海苔(のり)巻き、光り物、白身、エビの7種だ。

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笹巻けぬきすしの折り詰めは、5個入りから100個入りまである。写真は7個入り2053円。(下)紐かけをして、小粋な包装紙で包む
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魚は1日塩漬けし、一番酢で1日締め、骨を抜き、二番酢で3〜4日漬ける。白身や光り物は季節により変わり、冬はコハダが中心。酢と塩がキリリときいて、粋な味わいに魅了される。エビは生きたクルマエビを使い、ゆでて開いてから甘酢に漬ける。旨(うま)みとコクが強く食感もいい。かんぴょうやおぼろの甘みにホッとし、甘くない玉子には驚かされる。作りたてより3時間ほどたってからの方が味や笹の香りがなじむという。

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人形町で創業し、関東大震災後、神田小川町に移転

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1882年頃の寿司屋の番付に、行司として「けぬき寿し」の文字が見える


笹巻けぬきすし
◎5個折り詰め1378円〜
<賞味期限>翌日
<購入方法>店舗でのみ販売。数に限りがあるため予約が確実

※記事中の価格などはすべて取材時のデータです

【笹巻けぬきすし総本店】
住所:千代田区神田小川町2-12
TEL:03-3291-2570
■10時〜18時30分/日曜、祝日休/地下鉄千代田線新御茶ノ水駅B3出口から徒歩5分

文/堀内志保 写真/三川ゆき江

(出典:旅行読売2025年1月号)
(Web掲載:2025年4月25日)


Writer

堀内志保 さん

埼玉県生まれ。1999年から2年あまり社会人類学の調査でアフリカ大陸の沖に浮かぶマダガスカル島に滞在。『マダガスカルを知るための62章』(明石書店)では、市場と割礼祭の章を担当した。2003年から宮城県に住み、写真家の夫とともに東北各地の自然や歴史、食、温泉、手仕事などに触れ、新聞や雑誌に記事やエッセイを発表している。

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