たびよみ

旅の魅力を発信する
メディアサイト
menu

【春を味わう旅】富山湾に春の訪れを告げる ホタルイカ&白エビ(1)

場所
  • 国内
  • > 北陸・中部・信越
  • > 富山県
> 滑川市、富山市
【春を味わう旅】富山湾に春の訪れを告げる ホタルイカ&白エビ(1)

旬のホタルイカを各種料理で味わえるパノラマレストラン光彩の「蛍烏賊御膳」2500円。3月~5月の提供

 

夜の海に光る「春の使者」、ほたるいかミュージアム

富山湾に春の訪れを告げるホタルイカは、毎年3月1日に漁が解禁になり、5月頃までが旬だ。この時期のホタルイカをたっぷり味わうなら、その生態を詳しく紹介している滑川(なめりかわ)のほたるいかミュージアムに行きたい。水揚げ港の滑川漁港に近く、ミュージアムのほか道の駅やレストラン、マーケットが集まっている。

ホタルイカは、わずか7センチほどの体に約1000個の発光器を持ち、夜の海でホタルのように青白く光ることから名付けられた。回遊性があり、春になると産卵のため富山湾にやってくる。沿岸部から急に深くなる富山湾特有の海底地形が、大群が押し寄せる理由と考えられている。昨シーズンの漁獲量は4000トンを超え、例年の3倍以上の豊漁だった。

富山湾のホタルイカ漁は、沖合2キロ~3キロのところに仕掛けた定置網で行われている。

「ホタルイカは、普段は水深200メートルから600メートルの深海にいます。定置網がある浅い所まで上がってくるのは産卵期のメスだけなので、大きなホタルイカが獲れます」と、ほたるいかミュージアム取締役業務本部長の小林昌樹さんが教えてくれた。

滑川漁港のそばに立つほたるいかミュージアム
富山湾の深海にすむ生物に触れられる「深海不思議の泉」。シーズン中は生きたホタルイカも展示
ほたるいかミュージアムの小林昌樹さん

ミュージアム2階のパノラマレストラン光彩は、一面ガラス張りの窓から富山湾を一望。ホタルイカの定置網も見えるという。これほど漁場が近ければ、朝獲れのホタルイカはさぞやおいしいことだろう。酢みそ和え、天ぷら、刺し身などホタルイカ尽くしの蛍烏賊(ほたるいか)御膳を堪能した。ゆでてぷっくりとした身に詰まったワタの濃厚な味がたまらない。鮮度のいいコリコリしたホタルイカの刺し身が味わえるのも、産地ならでは。

ミュージアムのすぐ外に広がる富山湾
パノラマレストラン光彩の「蛍烏賊の刺身」1350円。オフシーズンも急速冷凍したホタルイカを提供

4月1日~5月6日には「滑川ほたるいか海上観光2025」が行われ、ホタルイカ漁を観光船から見学できる。網で引き揚げられたホタルイカの大群が、夜明け前の暗い海で一斉に光を放つ様子は、一度は見てみたい神秘的な光景だ。毎年恒例の「春のホタルイカ祭り」は4月26日にミュージアムで開催される。

ほたるいか海上観光は、ホタルイカの幻想的な光が間近で見られると大人気

ここから徒歩15分にあるカネツル砂子(すなご)商店も地元らしい店。活きの良いホタルイカをしょうゆに漬けたホタルイカの活(い)き漬けなど、さまざまな加工品を販売し、シーズン中は加工場の見学も受け付けている。

カネツル砂子商店の砂子牧子さん。ほたるいか素干しなど自慢の逸品が並ぶ
「ほたるいか活き漬け」1620円

文/出口由紀 写真/宮川 透

【春威を味わう旅】富山湾に春の訪れを告げる ホタルイカ&白エビ(2)へ続く

ほたるいかミュージアム

営業:9時~16時30分(レストランは11時~17時30分)/火曜(祝日の場合は翌日)休※3月20日~5月31日は無休、そのほか臨時休あり/820円(6月~3月中旬は620円)
交通:あいの風とやま鉄道滑川駅から徒歩8分/北陸道滑川ICから5キロ
住所:滑川市中川原410
TEL:076-476-9300
※ホームページはこちら

滑川ほたるいか海上観光2025

営業:4月1日~5月6日の午前2時30分出航/荒天休/8000円
TEL:076-476-9307
※乗船希望日の2日前までにWebからのみ予約可
※ホームページ及び予約はこちら

カネツル砂子商店

営業:8時30分~17時/日曜、祝日休(3月~5月は無休)
交通:富山地方鉄道中滑川駅から徒歩10分/北陸道滑川ICから5キロ
住所:滑川市北町1253
TEL:076-475-0035
※ホームページはこちら


※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2025年4月号)
(Web掲載:2025年3月26日)


Writer

出口由紀 さん

美味しいものには目がないライター。その土地の空気の中で味わう新鮮な特産品や郷土料理は、旅ならではの醍醐味だと思っている。最近感動したのは、生でかじった北海道の白いトウモロコシと夏の日本海の岩ガキ。土地それぞれの言葉を聞くのも好きで、一期一会の出会いと会話を楽しみながら旅をする。

Related stories

関連記事

Related tours

この記事を見た人はこんなツアーを見ています