【取り寄せできない東京・大阪みやげ】ふる里の味 とん蝶 御菓子司 絹笠(大様・鶴見)

とん蝶(ちょう)の名はふるさとを連想させる「とんぼ」と「蝶」をつなげた造語で、創業者の岡本大三さんが名付けた
手作りで守る大阪の“ふる里の味”
大阪・鶴見区にある絹笠は1867年に神戸・元町で菓子店・松花堂として創業。戦時中の統制下による廃業を経て1948年に大阪・旭区で和生菓子の店として復活を遂げた。
売り上げの約9割を占めるのが「ふる里の味 とん蝶」だ。65年頃、創業者の岡本大三(だいぞう)さんが競争の激しい和菓子業界で差別化を図るため、「甘くない和菓子」を作ろうと、もち米や大豆など和菓子店にある材料と大阪名物の塩昆布を用いて考案した。
毎朝5時から製造を開始。大豆入りのおこわを蒸して木型に詰め、間に塩昆布を挟んで形を整え、包装紙で包む。蒸し上がりからわずか数分。すべて手作業だ。「気温や湿度によって蒸し時間や打ち水の量を変えています。包む際には硬く締まらないように、ふんわり包むようにしています」と総務部部長の中原弘尚(ひろたか)さん。
せいろで蒸し、木型で形を整え、包装まですべて手作業。防腐剤等は使わない。平日約2000個、休日約3000個を7人〜8人で製造
ふっくらしたおこわに大豆や塩昆布の風味がよく合い、郷愁を誘う素朴な味わい。小梅もアクセントになり、最後のひと口まで飽きないおいしさ。休日には1日約3000個も売れる、まさに大阪の顔といえるふる里の味だ。
1987年に旭区から鶴見区へ工場を移転。2004年、直営店の鶴見店(写真)を開店した
冬のおすすめ(取材時)
黒豆とん蝶(10月~1月)厳選した国産黒豆入り 421円
とん蝶(白蒸し)
◎1個(約170g) 378円
◎折箱入り(約300g)734円
<賞味期限>当日22時(10月~5月) 、当日19時(6月~9月)
<購入方法>市内の直営店や百貨店などで。基本的に予約は不要だが、売り切れ次第終了のため予約が確実。折箱入りは2日前までに要予約
※記事中の価格などはすべて取材時のデータです
【絹笠 鶴見店】
住所:大阪市鶴見区横堤2-5-66-1
TEL:06-6913-7745
■10時〜16時(日曜は〜14時)/水曜休/地下鉄長堀鶴見緑地線横堤駅5番出口から徒歩12分
※公式サイトはこちら
文/堀内志保
(出典:旅行読売2025年1月号)
(Web掲載:2025年5月3日)