【新・日本の絶景】海上から見る、鳥居と灯台 🗻富士山の絶妙なコントラスト<海上タクシー(葉山~江の島)>

江の島島内の湘南港に新たな係留施設、SHONAN江の島桟橋が完成。堤防から眺める海の景色も素晴らしい
絶景と言えば、富士山は外せない!
絶景と言えば、富士山は外せない。関東でも富士見スポットは山ほどあるが、2024年に新たに登場したのが、湘南の海の上から富士山の眺望を楽しめるという海上タクシーだ。
葉山マリーナから江の島までを1日3往復、乗り合いで2人以上から運航する。前日までの予約が必要だが、空きがあれば当日も乗船可能。料金は1人3000円と、手軽に乗れるのもうれしい。
葉山マリーナまでは京急線逗子・葉山駅からバスで7分。桟橋には10人乗りのプレジャーボートが係留されていた。ベルト型のライフジャケットを装着して乗り込む。1階のデッキの奥はソファが置かれた冷暖房付きの部屋になっており、まるでクルーズに出るような気分だ。眺めを堪能したいなら、2階にある操縦席の前のシートがおすすめ。先頭で海上の絶景を独り占めできる。
葉山マリーナ。ハーバー施設に飲食店やアウトドアブランドのショップなどが入るマリーナプラザを併設
海上タクシーに使用する10人乗りのプレジャーボート「ファルコン」
マリーナを出た海上タクシーは、まずは相模湾を南に向かう。見えてきたのは、石原裕次郎の3回忌に兄の慎太郎が寄付を募って建てたという裕次郎灯台と、葉山の総鎮守・森戸神社の裏手から約700メートルの沖合に浮かぶ名島に立つ赤い鳥居だ。
「気象条件が良ければ鳥居の後ろに富士山が見えます」と葉山マリーナの今野真明さん。この航路で一番の絶景だという。
裕次郎灯台と名島の赤い鳥居の後ろにそびえる富士山
残念ながら当日は、富士山は雲に隠れていたが、海から望む景観に心は躍る。目の前にキラキラと光る海原が迫り、あちこちにたたずむように漁船が点在する。稲村ヶ崎や七里ヶ浜もいつもと違う角度から眺めると新鮮だ。江の島が近づくと、江ノ電が走る姿も小さく見える。海上でしか味わえない風景を、目いっぱい楽しんだ。
ゴールのSHONAN江の島桟橋は24年に竣工したばかり。それを機に、江の島を基点として葉山や逗子、大磯などのマリーナや港との海上交通が本格運行されたのだという。渋滞を気にすることなく、海の美しさを体感しながら移動できるのが魅力だそう。湘南の海に新たな絶景スポットが加わった。
文/高崎真規子
マリーナプラザ1階のプリンショップ&カフェ MARLOWE(マーロウ)の店内から海を一望。気象条件が良ければ富士山も見える。カスタードプリン756円
■10時~19時(12月~2月は9時30分~18時30分)/火曜休/TEL:046-875-0412
🚢海上タクシー
【ベストシーズン】通年
営業:葉山マリーナ発10時30分、12時30分、14時30分。江の島発11 時30 分、13 時30 分、15時30分/火曜休
交通:京急線逗子・葉山駅からバス7分、葉山マリーナ下車すぐ/横浜横須賀道路逗子ICから5キロ
住所:葉山町堀内50-2
問い合わせ:TEL:046-875-0002
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※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2025年2月号)
(Web掲載:2025年5月10日)