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【旅する喫茶店】喫茶室 翆(島根)

場所
> 安来市
【旅する喫茶店】喫茶室 翆(島根)

枯山水庭を眺めながらくつろげる。同館の庭園はアメリカの日本庭園専門誌の日本庭園ランキングで22年間連続日本一に選出

足立美術館の名園を一望する特等席

島根県安来(やすぎ)市出身の実業家、足立全康(ぜんこう)氏によって1970年に創設された足立美術館は、横山大観をはじめとした日本画のコレクションに加え、約5万坪の日本庭園を有し、名画と名園の美術館として世界的にも知られている。

ガラス張りの大きな窓のある「喫茶室 翆」は同館に併設されたカフェ。「庭園もまた一幅の絵画である」という信念のもとに足立氏が造り上げた日本庭園の主庭、枯山水庭を一望できる特等席である。ゆったりと配置されたソファに座って眺めれば、名園を独り占めしたようなぜいたくな気分を味わえる。

コーヒー、紅茶、ジュースなどメニューはすべて1000円。「抹茶のシャーベットとジャージーミルクのアイスクリーム」は木々の緑と白砂の枯山水庭の色合いをイメージした人気メニューだ。予約はできないので、開館して間もなく行列ができる日も多いという。

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本館1階にあり、美術館の入館者のみ利用可能だ

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「オリジナルコーヒー」と「抹茶のシャーベットとジャージーミルクのアイスクリーム」

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レトロな布張りのソファがゆったりと配置されている

「1980年前後、建物と庭を拡張したときにこの喫茶室もオープンしたので、美術館併設のカフェとしては早いほうだったのではないかと思います」と足立美術館広報の菅野綾夏さん。

館内には食事メニューを楽しめる「喫茶室 大観」もある。こちらもガラス張りで眺めは抜群。水量豊かな池庭に囲まれており、池の上に浮いているような気分で庭を観賞できる。

文/高崎真規子 写真/青谷 慶


喫茶室 翆

島根県安来市古川町320 足立美術館内
TEL:0854-28-7111(足立美術館)
営業:9時~17時30分(10月~3月は~ 17時、短縮営業あり)/無休
交通:山陰線安来駅からシャトルバス20 分

※記載内容は掲載時のデータです。営業時間、料金は変更になる場合があります。

(出典:「旅行読売」2025年7月号)
(Web掲載:2025年7月26日


Writer

高崎真規子 さん

昭和の東京生まれ。80年代後半からフリーライターに。2015年「旅行読売」の編集部に参加。ひとり旅が好きで、旅先では必ずその街の繁華街をそぞろ歩き、風通しのいい店を物色。地の肴で地の酒を飲むのが至福のとき。本誌連載では、大宅賞作家橋本克彦が歌の舞台を訪ねる「あの歌この街」、100万部を超える人気シリーズ『本所おけら長屋』の著者が東京の街を歩く「畠山健二の東京回顧録」を担当。著書に『少女たちはなぜHを急ぐのか』『少女たちの性はなぜ空虚になったか』など。

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