たびよみ

旅の魅力を発信する
メディアサイト
menu

【旅する喫茶店】北浜レトロ(大阪)

場所
> 大阪市
【旅する喫茶店】北浜レトロ(大阪)

2階のティールーム。店内のインテリアは、小山さんが英国で買い付けた

文化財の洋館で英国式のティータイムを

大阪の北浜・中之島エリアには、明治から昭和初期の瀟洒(しょうしゃ)な近代建築が残る。土佐堀(とさぼり)川沿いに立つこの店もその一つだ。レンガ造りの2階建ての洋館の扉を開けると、英国のレトロなティーサロンに入り込んだよう。ターコイズブルーの茶缶やアンティークの装飾が目を引く。

この建物は1912年に株式関係者の集会所として建てられた。戦後は商社の本社社屋として利用されていたが、94年に会社が倒産してからは2年間放置されたままだった。

「北浜の象徴とも言える文化財レベルの近代建築を何とか再生したい。ヨーロッパのように、歴史的建築物を飲食店などへうまく活用できないだろうか」と考えた同店オーナーの小山壽一(じゅいち)さんは、自宅を売り、借金までして建物を買い取ったという。

建築当初の姿に戻すため、小山さんは大阪府庁を退職して渡英。独学で設計・デザインし、97年に同店をオープンさせた。本場の英国人からも「懐かしい」と評価されている。

04●建物外観.jpg
建物は国の登録有形文化財

紅茶約30種は、英国の高級ホテルでも使用する銀仕上げのポットで提供される。カップは老舗陶磁器メーカー「ウェッジウッド」から直接仕入れたそう。人気のケーキ「山盛りベリー」は、ふんわりしたスポンジ、濃厚な生クリーム、甘酸っぱい5種のベリーの調和が見事。香り高く味わい深い紅茶とも相性がよく、優雅なティータイムとなった。

文/児島奈美

03●DSC_2248.jpg
伝統的なスタイルのアフタヌーンティー3400 円も好評。最上段のケーキは山盛りベリー。ケーキセット1500 円でも味わえる

02●1F売り場.jpg
1階の売り場では、紅茶の茶葉やケーキ、スコーンなどを販売


北浜レトロ

住所:大阪府大阪市中央区北浜1-1-26 北浜レトロビルヂング
TEL:06-6223-5858
営業:11時~L.O.18時30分(土・日曜、祝日は10時30分〜)/お盆・年末年始休
交通:地下鉄堺筋線・京阪本線北浜駅からすぐ

※記載内容は掲載時のデータです。営業時間、料金は変更になる場合があります。

(出典:「旅行読売」2025年1月号)
(Web掲載:2025年4月27日)


Writer

児島奈美 さん

神戸生まれ。学生時代にバイクで北海道、九州、信州を巡って旅に目覚め、約40か国渡航。1か月のキャンプ旅でも太って帰ってくる食いしん坊で、現在は、旅・グルメ・人物インタビューを中心に、ガイドブックや雑誌、Webなどの制作に携わる。「旅行読売」ではルポがメイン。鉄子や歴女の道も着々と歩む。

Related stories

関連記事

Related tours

この記事を見た人はこんなツアーを見ています