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【旅する喫茶店】會津壹番館(会津若松)

場所
> 会津若松市
【旅する喫茶店】會津壹番館(会津若松)

古いランプやスピーカーなど、オーナーこだわりのインテリアで統一されている

野口英世ゆかりの建物を趣あるカフェに

会津若松駅から南へ20分ほど歩くと、野口英世青春通りに出る。通りの入り口に立つ蔵造りの洋館の1階にあるのが、1976年開業の會津壹番館(あいづいちばんかん)だ。いかにも目を引く立派な洋館は、1884年の建築で、幼い頃手に大やけどを負った野口英世が手術を受け、医学を志すきっかけになった旧会陽医院だった場所。だが、會津壹番館の開業当時は街の近代化が進み、かつての面影はすっかり失われていた。

オーナーの照島敏明さんは、古い建物を残したいと、改装して1階を喫茶店、2階を英世の足跡や功績など様々な資料を展示する野口英世青春館としてオープン。その後約10年かけて、外観を少しずつ元の姿に復元し、黒壁の見事な蔵造りがよみがえった。

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入り口には英世の写真や銅像も

店内はアンティークな調度で統一され、落ち着いた雰囲気だ。大きな窓から陽が差し込み、ゆったりした時間が流れている。

自前の焙煎(ばいせん)工房で焙煎された豆を使ったコーヒーは、きりっとしてコクのある味わい。手作りスイーツも充実している。なかでも人気なのは、会津の酒蔵の酒粕を使った「酒粕ぷりん」。ちょっと苦みを感じる酒粕の風味がポイントで、一度食べると病みつきになる。

店の周辺には英世ゆかりの場所も残っており、散歩がてら訪れる観光客も多い。

文/高崎真規子 写真/三川ゆき江ほか

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すっきりした甘みの会津産はちみつ付きの「会津はちみつコーヒー」880 円と「酒粕ぷりん」550 円


會津壹番館

福島県会津若松市中町4-18
TEL:0242-27-3750
営業:8 時~ 20 時/無休
交通:磐越西線・只見線会津若松駅から徒歩20 分、またはまちなか周遊バスハイカラさん15 分の野口英世青春館前下車すぐ

※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2025年2月号)
(Web掲載:2025年5月14日)


Writer

高崎真規子 さん

昭和の東京生まれ。80年代後半からフリーライターに。2015年「旅行読売」の編集部に参加。ひとり旅が好きで、旅先では必ずその街の繁華街をそぞろ歩き、風通しのいい店を物色。地の肴で地の酒を飲むのが至福のとき。本誌連載では、大宅賞作家橋本克彦が歌の舞台を訪ねる「あの歌この街」、100万部を超える人気シリーズ『本所おけら長屋』の著者が東京の街を歩く「畠山健二の東京回顧録」を担当。著書に『少女たちはなぜHを急ぐのか』『少女たちの性はなぜ空虚になったか』など。

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