【お得きっぷで鉄旅へ】紺碧の日本海に沿って北へ 憧れの観光列車を乗り継ぐ(2)青春18きっぷ3日間 5400円お得!

延々と続く日本海の海岸線に沿って走る五能線の「リゾートしらかみ」橅編成
東京発◉2泊3日
新潟🚃酒田🚃秋田🚃青森🚃釜石 ~羽越線・五能線・奥羽線~
日本海の絶景区間を満喫
【お得きっぷで鉄旅へ】紺碧の日本海に沿って北へ 憧れの観光列車を乗り継ぐ(1)青春18きっぷ3日間 5400円お得!から続く
翌日は秋田駅から五能線を通って青森駅まで5時間以上かけて走る快速「リゾートしらかみ1号」に乗る。1997年にデビューした「リゾートしらかみ」は観光列車の先駆けともいえる存在で、現在も全国屈指の人気を誇る。
仕様の異なる「橅(ぶな)」「青池」「くまげら」の3編成が運行しており、この日乗車した1号には「海里」と同様のHB-E300系4両の「橅」編成が充当され、2人掛けのリクライニングシートとボックス席が並ぶ。白神山地のブナの木立を表現したグリーンのグラデーションが美しい車体だ。東能代(ひがしのしろ)駅から五能線に入る際、進行方向が逆向きになり、自分で座席を回転させた。
世界自然遺産に登録されている白神山地のブナ木立をデザインした「リゾートしらかみ」の橅編成
2人掛けのリクライニングシートは東北の夏祭りをイメージした暖色系の配色だ
東能代駅に到着すると、愉快なテーマソングが流れていた。JR東日本秋田支社の広報担当者は「このおもてなしメロディーは弊社社員が作ったオリジナル楽曲『しらかみ3兄弟のテーマ』です」と教えてくれた。CDも車内セルフレジで販売しているなど興味深い話が聞けた。
列車はあきた白神駅を過ぎると日本海の海岸線をなぞるように走る。絶景ポイントではスピードを落としてゆっくり進み、日本海の景色を思う存分、堪能することができた。
橅編成3号車には日本海の絶景が眺められる絶好のフリースペースがある
乗車時間の長い「リゾートしらかみ」では、能代の木工職人による木工品の販売や、プロの演奏者による津軽三味線(しゃみせん)の生演奏など、車内イベントも行われる(乗車日により内容は異なる)。五能線の終点となる川部(かわべ)駅とさらに奥羽線を南下した弘前(ひろさき)駅で進行方向を2度変え、終着駅の雰囲気にあふれた青森駅に着いた。
秋田や青森の工芸品などを展示する「ORAHOギャラリー」
鯵ケ沢(あじがさわ)駅から五所川原(ごしょがわら)駅まで2人のプロの演奏者が津軽三味線を生演奏
(左)鉄道旅行が大好きな高田ファミリー(右)台湾から来た李建平(写真左)さんと陳君玲さんはボックス席で秋田駅から十二湖駅まで乗車
夕日が海に沈む光景が郷愁を誘う五能線の驫木(とどろき)駅。「リゾートしらかみ」は停車しない
最終日は様々なプランが考えられる。ひたすら東北線を乗り継いで帰京すれば、お得金額がアップする。運転日が合うなら釜石線を走る新しい観光列車の快速「ひなび 釜石」に乗りたい。三つの観光列車を乗り継ぐ満足度の高い旅になるだろう。
文・写真/松尾 諭
行き止まりの青森駅で普通列車と並ぶ「リゾートしらかみ」
大湊線、山田線、釜石線などで運行するHBE300系2両編成の新しい観光列車「ひなび(陽旅)」
※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2025年7月号)
(Web掲載:2025年8月9日)