【ひとり、秘湯へ】とろとろの湯を巡り、古き良き湯治場の風情を味わう 大沢温泉 湯治屋(2)
湯治屋の建物。右手前にあるのが「大沢の湯」
昔懐かしい気分を体感
【ひとり、秘湯へ】とろとろの湯を巡り、古き良き湯治場の風情を味わう 大沢温泉 湯治屋(1)から続く
翌朝、早起きして混浴の「大沢の湯」に向かった。何の囲いもなく、川にせり出した開放感抜群の名物風呂だ。女性専用タイム(20時~21時)もあるが、早朝なら人も少ないだろうと、勇気を出してドアを開けると先客の男性が2人。あいさつを交わし、静かに湯に体を沈める。
「湯あみ着などを着用すると、風呂というよりプールに近くなってしまいます。ほかにも女性用のお風呂はあるし、一つくらい昔のままでいいじゃないかという思いで、今も混浴を続けています」と大沢温泉社長の高田貞一さんは話す。

女性専用露天風呂「かわべの湯」。冬季は入浴できない場合も

レトロなタイル張りの男女別内風呂「薬師の湯」
山間の自然の中で、ゆったりと湯の恵みを味わえる宿は、今や希少になった。ミシミシと床がきしむ木造の建物や、夕方に障子から漏れるやわらかな明かりは、昔懐かしい別世界にいざなってくれる。湯を巡りながら、しだいに心も体も軽くなっていくのを実感した。
増改築を繰り返しながらも昔ながらの湯治場が続いたのは、大沢温泉を愛する湯治客が途切れなかったから。今も根強いファンが多いという。
菊水舘は茅葺き棟の改修工事が完了し、多目的な茅葺きホールとして復活した。帰りに立ち寄るのもいいだろう。


菊水舘の昔ギャラリー「茅」では、大沢温泉の歴史やゆかりの人々の資料も展示している
周辺のおすすめ観光👟
宮沢賢治記念館

童話作家や詩人として知られる、花巻市出身の宮沢賢治の多彩な活動や心象、世界観などを、科学、芸術、宇宙、宗教、農と五つのテーマに分けて紹介している。愛用のチェロ、作品の草稿や創作メモの複製なども多数展示。胡四王(こしおう)山の中腹に立ち、展望ラウンジからは花巻の町を一望。喫茶スペースもある。
■8時30分~16時30分/12月28日~1月1日休/350円/東北新幹線新花巻駅からバスス4分、賢治記念館口下車徒歩10分/TEL:0198-31-2319
山の駅 昭和の学校


廃校になった小学校の校舎を利用して、昭和30~40年代の商店街を再現。館内には駄菓子屋、おもちゃ屋、電器店、理髪店などの店舗が映画のセットのように並び、校長の照井正勝さんが20年以上かけて収集した柱時計、ラジカセやレコード、フィルムカメラなど、昭和を彷彿(ほうふつ)とさせる約20万点の資料を展示する。
■9時~16時30分(11月~3月は10時~ 15時30分)/火曜(祝日の場合は翌日)休/600円/東北線花巻駅からバス27分、山の駅 昭和の学校前下車すぐ/TEL:0198-29-4919
文/高崎真規子
大沢温泉 湯治屋
TEL:0198-25-2021
住所:花巻市湯口大沢181
ひとり泊データ
条件:通年可
客室:トイレなし8畳和室など(全57室)
料金(税込み)
素泊まり 平日3370円~※1/休前日 要問い合わせ
1泊朝食 平日5170円~※2/休前日 なし
1泊夕食 平日6520円~※3/休前日 なし
※1 寝具等貸出料金は1泊につき、掛布団220円、敷布団220円、シーツ100円、枕20円、浴衣220円など。積み上げ算方式で計算。持ち込み可
※2 朝食付きプラン(布団一式を含む)
※3 夕食付きプラン(布団一式を含む)
※2人1室利用の場合は素泊まり3070円~
泉質:アルカリ単純温泉
日帰り入浴:7時~20時30分/無休/700円(当日に清掃が入る場合あり)
交通:東北新幹線新花巻駅から花巻南温泉郷無料送迎シャトルバス45分(4日前までに要予約)/東北道花巻南ICから11キロ
※記載内容はすべて掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2025年11月号)
(Web掲載:2026年1月1日)


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