【一度は見たい紅葉百景】渓谷のダイナミックな紅葉と北アルプスの大パノラマを楽しむ 飛騨(2)
標高2156メートルまで気軽に上れる新穂高ロープウェイ。錦織りなす山々の紅葉が眼下に広がる
新設のデッキから秋景色を
【一度は見たい紅葉百景】渓谷のダイナミックな紅葉と北アルプスの大パノラマを楽しむ 飛騨(1)から続く
飛騨で人気の紅葉スポットと言えば新穂高ロープウェイで、毎年多くの人が訪れる。標高1117メートルの新穂高温泉駅から標高2156メートルの西穂高口駅までを、二つのロープウェイでつなぐ。紅葉のピークは例年10月中旬。山々がモミジやカエデの赤、ブナやミズナラの黄色に染まり、ロープウェイから見下ろすと、紅葉の絨毯(じゅーたん)を一面敷き詰めたよう。
山頂付近が冠雪して白くなり、山の中腹は赤や黄色、低地は緑色の樹木と、山が3色になる「三段紅葉」が見られることも。標高差のある山岳地帯ならではの絶景だ。
西穂高口駅の屋上展望台は、7月19日にリニューアルオープン。ウッドデッキが新設され、西穂高岳や槍ヶ岳など北アルプスの山々のパノラマがぐるりと見晴らせる。
滝と紅葉の競演が見事な平湯大滝、高さ70メートルの橋から山々を望む北アルプス大橋も、紅葉の名所として知られる。奥飛騨には五つの温泉郷があり、温泉につかって紅葉を眺めるのもいい。高山では、飛騨国分寺や東山遊歩道など、歴史を感じながら紅葉を観賞したい。
新穂高ロープウェイ
🍁10月中旬

第1ロープウェイ4分、第2ロープウェイ7分の空中散歩

リニューアルオープンした西穂高口駅屋上展望台「AlpScape(アルプスケープ)」

第2ロープウェイのしらかば平駅にはベーカリーショップがあり、ゴンドラ食パンなどが人気
新穂高温泉駅から鍋平高原駅までの第1ロープウェイと、しらかば平駅から西穂高口駅までの第2ロープウェイで構成される。国内唯一の2階建てロープウェイが運行。2024年10月、山頂エリアに、槍ヶ岳を望む展望デッキ「槍の回廊」が人気の「頂(いただき)の森」がオープンした。
【Data】
上り始発8時30分(10月の土・日曜、祝日は始発8時)、下り終発16時45分(季節により異なる)/無休(天候不良・点検による運休あり)/第1、第2ロープウェイ往復3800円/高山線高山駅からバス1時間40分、新穂高温泉駅下車すぐ/長野道松本ICから68キロ/高山市奥飛騨温泉郷神坂/TEL:0578-89-2252
平湯大滝
🍁10月上旬〜中旬

飛騨三大名瀑の一つに数えられ、日本の滝百選にも選定されている。滝の幅6メートル、落差は64メートルあり、豪快な水しぶきを上げて絶壁を流れ落ちるさまは見応えがある。紅葉の時期、滝のある一帯はヤマモミジの赤、ブナやシラカバなどの黄色に染まる。
【Data】見学自由/高山線高山駅からバス52分、大滝口・キャンプ場前下車徒歩20分/長野道松本ICから47キロ/高山市奥飛騨温泉郷平湯/TEL:0578-89-2614(奥飛騨温泉郷観光協会)
北アルプス大橋
🍁10月中旬〜下旬

人気ドライブルートの絶景撮影スポット
新穂高温泉の中尾高原と、新穂高ロープウェイの第2ロープウェイ乗り場に近い鍋平園地を結ぶ橋。錫杖(しゃくじょう)岳や笠ヶ岳など北アルプスの山々を近くに望む。全長は150メートルあり、雄大な山々の紅葉を眺めながら、爽快なドライブやツーリングが楽しめる。
【Data】見学自由/高山線高山駅からバス1時間30分、中尾焼岳登山口下車徒歩20分/長野道松本ICから65キロ/高山市奥飛騨温泉郷中尾/TEL:0578-89-2614(奥飛騨温泉郷観光協会)
谷旅館
🍁10月下旬〜11月上旬

新穂高の湯が満ちる紅葉露天風呂でゆったり

奥飛騨温泉郷の一つ、新穂高温泉にある全7室の宿。眺めのいい三つの混浴露天風呂や四つの女性専用露天風呂などは主人が造った。単純硫黄泉の源泉かけ流しで、湯と秋景色に癒やされる。山の紅葉を借景にした庭園の眺めも格別。創作料理のコースの夕食は部屋ごとの個室で取る。
【Data】1泊2食1万9950円~(10月1日以降は宿泊税200円加算)/高山線高山駅からバス1時間30分、中尾白山神社下車すぐ/長野道松本ICから65キロ/高山市奥飛騨温泉郷中尾151/TEL:0578-89-2735
飛騨国分寺の大イチョウ
🍁11月下旬〜12月上旬

飛騨国分寺は聖武天皇の勅願によって全国に建立された国分寺の一つで、746年頃に創建された。樹齢1250年以上と推定される境内の大イチョウは、高さ約28メートルの大木だ。飛騨国分寺の大イチョウの葉が落ちると、高山に雪が降ると言われている。
【Data】境内自由/高山線高山駅から徒歩5分/長野道松本ICから85キロ/ 高山市総和町1-83/TEL:0577-32-1395
東山遊歩道
🍁10月中旬〜11月上旬

高山市街の東の高台にある散策スポット。戦国時代に飛騨を平定した金森氏が、京都の東山になぞらえてこの場所に寺院を集めた。東山町から城山公園まで約5.5キロの遊歩道には、歴史ある寺社が点在している。境内に植えられた木々の紅葉を観賞しながら散策したい。
【Data】見学自由/高山線高山駅から徒歩20分/長野道松本ICから85キロ/高山市天性寺町ほか/TEL:0577-32-3333(高山市観光課)
文/出口由紀
※記載内容はすべて掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2025年10月号)
(Web掲載:2025年10月14日)


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