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【紅葉の秘湯】貸切露天で紅葉を独り占め 岐阜・奥飛騨温泉郷新穂高温泉 リゾートインちろり庵(1)

場所
  • 国内
  • > 北陸・中部・信越
  • > 岐阜県
> 高山市
【紅葉の秘湯】貸切露天で紅葉を独り占め 岐阜・奥飛騨温泉郷新穂高温泉 リゾートインちろり庵(1)

貸切露天風呂の一つ「きずなの湯」。眺望と開放感が素晴らしい

 

男女別の内湯と大きさの異なる三つの貸切露天風呂が魅力

「紅葉を愛(め)でながら温泉につかる」という秋ならではの温泉旅に出かけたいが、落ち着いた雰囲気もほしい。そう考えて選んだ先は、岐阜県の新穂高温泉にある小さな宿、リゾートインちろり庵。新穂高温泉は、奥飛騨温泉郷の五つの温泉の中で最奥に位置し、宿がある中尾地区は車もほとんど通らない静かな高原だ。

宿に向かって、奥飛騨路の清流沿いに車を走らせる。紅葉シーズンには、辺り一帯の山々がカラフルに染まることだろう。道端の「ゆ」と染められた暖簾(のれん)が中尾高原入り口の目印。大きくカーブした道を上がると宿が現れた。緑色の三角屋根、柱や梁(はり)が見える白壁が、宿名の通りアルプスを思わせる洋風の建物だ。

スイスアルプス地方の民家のような建物
広々とした1階ロビー。木製家具や木をふんだんに使った内装でくつろげる

中尾高原は標高3000メートル級の山が連なる北アルプスの麓にあり、焼(やけ)岳や槍ヶ岳など日本百名山に選ばれた山々の雄姿が見える。手前の山の中腹から源泉の白い煙が立ち上り、温泉への期待感が高まる。

宿には男女別の内湯のほかに、大きさの異なる貸切露天風呂が三つ並んで造られている。貸切利用だが予約は不要。フロント前に木札が戻っていれば空いているので、木札を持って露天風呂へ。温泉では時間に縛られずに過ごしたい私にとっては、気が向いた時に湯につかれるこのシステムは気楽でいい。無料で何度でも利用できるのもうれしい。

24時間入浴できる男女別の内湯

湯は80~90度の高温の源泉を山の湧き水を加水して温度調整し、かけ流している。単純硫黄泉の湯は、ほぼ無色透明。大岩を配した露天風呂でひとり遠慮なく手足を伸ばし、槍ヶ岳を始めとする北アルプスの山々の絶景を心ゆくまで楽しんだ。

山の紅葉と冠雪を同時に観賞。遠くには槍ヶ岳も姿を見せている

山肌が紅葉でオレンジや黄色に色付く秋の眺めは、さらに感動的だろうと想像する。その様子をオーナーの河上直人さんは、「澄んだ青空のもと、柔らかな日差しにブナやトチ、カエデなどの紅葉した葉が照らされ、山が輝いているように見えます」と表現する。宿からは、山頂付近の冠雪、中腹の紅葉、まだ緑色の麓の木々が織りなす「三段紅葉」も見られるという。

2代目オーナーの河上さんと娘の美月さん。3世代で宿を切り盛りする

中尾高原の絶景スポット👀

北アルプス大橋

全長150メートルの橋。橋の上から、錫杖(しゃくじょう)岳や笠ヶ岳など北アルプスの山々のダイナミックな景観が楽しめる。高さが70メートルあり、四方をぐるりと見晴らせる紅葉の絶景スポットだ。車で走り抜けるのも、爽快感があっておすすめ。
■終日通行可/高山線高山駅からバス1時間30分、中尾焼岳登山口下車徒歩20分/長野道松本ICから65キロ/TEL0578-89-2614(奥飛騨温泉郷観光協会


リゾートインちろり庵

🍁紅葉の見頃:10月下旬〜11月上旬
TEL:0578-89-2646
住所:高山市奥飛騨温泉郷中尾60
客室:全10室
温泉:単純硫黄泉

1泊2食料金(1人分):
2人1室利用 平日1万5550円~・休前日1万6650円~
1人1室利用(繁忙期を除く)平日1万6650円~・休前日1万7750円~
日帰り入浴:10時~14時30分/500円

交通:高山線高山駅からバス1時間30分、星の鐘前下車すぐ/長野道松本ICから63キロ

※料金などは掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2024年10月号)
(Web掲載:2024年12月17日)


Writer

出口由紀 さん

美味しいものには目がないライター。その土地の空気の中で味わう新鮮な特産品や郷土料理は、旅ならではの醍醐味だと思っている。最近感動したのは、生でかじった北海道の白いトウモロコシと夏の日本海の岩ガキ。土地それぞれの言葉を聞くのも好きで、一期一会の出会いと会話を楽しみながら旅をする。

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