【一度は見たい紅葉百景】日本の秋を彩る紅葉<水辺編8選>

日本の秋を彩る紅葉は実に複雑で変化に富んだ表情を見せ、私たちに感動を与えてくれます。標高、時期、天候、時刻などによって色合いが刻々と変化するのも魅力の一つです。水辺で楽しめる紅葉絶景を8つ紹介します。
蔦沼【青森】
紅葉の見頃🍁10月中旬〜下旬
写真/十和田湖奥入瀬観光機構
蔦温泉旅館の周囲は「蔦野鳥の森」と呼ばれ、大小六つの沼を巡る散策路が整備されている。最も大きい沼が蔦沼(つたぬま)で、黄葉するブナやミズナラの自然林が湖面に映える。特に早朝、展望デッキから眺めると、対岸一帯を朝日が照らし、真っ赤に染まるさまが、息を呑むほど美しい。
■見学自由(10月23日〜11月3日の5時〜7時30分は予約制で要協力金)/青森駅からバス1時間45分、蔦温泉下車徒歩10分/十和田市奥瀬/TEL:0176-24-3006(十和田奥入瀬観光機構)
松島【宮城】
紅葉の見頃🍁10月下旬〜11月上旬
写真/松島観光協会
日本三景の松島を俯瞰(ふかん)できる東西南北の絶景スポット四大観(したいかん)。西の扇谷は標高56メートルの高台から、針葉樹の緑と赤や黄色の紅葉が織りなす景観越しに松島湾が扇状に広がる。また、車で約5分離れた西行戻しの松公園の展望台からも紅葉越しに松島湾を眺められる。
■見学自由/松島海岸駅からタクシー5分/松島海岸ICから4キロ/松島町松島桜岡入/TEL:022-354-5708(松島町産業観光課)
袋田の滝【茨城】
紅葉の見頃🍁11月上旬〜中旬
写真/大子町観光協会
日本三名瀑の一つ、袋田の滝は高さ120メートル、幅73メートルで、岩壁を4段にわたって落下する。第2観瀑台からは滝と岩壁を覆うイヌシデやミズナラ、ウルシ系など黄から赤の階調を一望できる。11月1日〜26年1月12日は日没後に「大子来人〜ダイゴライト〜」のライトアップイベントも開催。
■8時〜18時(11月1〜30日は〜20時)/無休/500円/水郡線袋田駅からバス10分、滝本下車徒歩10分/大子町袋田3-19/TEL:0295-72-0285(大子町観光協会)
九頭竜湖【福井】
紅葉の見頃🍁10月下旬〜11月上旬
写真/大野市観光交流課
ダムの建設によって九頭竜(くずりゅう)川がせき止められてできた人造湖。周囲の山々はブナやミズナラ、ヤマモミジが色付き、緑、黄、赤、オレンジのモザイク模様に染まる景色が美しい。瀬戸大橋の試作品として架けられた「夢のかけはし」の上から湖と紅葉を楽しむことができる。
■見学自由/越美北線九頭竜湖駅からタクシー20分/中部縦貫道九頭竜ICから13キロ/大野市箱ヶ瀬/TEL:0779-66-1111(大野市観光交流課)
箕面大滝【大阪】
紅葉の見頃🍁11月下旬〜12月上旬
写真/箕面市観光協会
明治の森箕面(みのお)国定公園の中にある。箕面駅から徒歩約5分で箕面公園の入り口。川沿いの滝道を進むと錦秋の中に昆虫館や瀧安寺(りゅうあんじ)、唐人戻岩(とうじんもどりいわ)などの見どころがあり、終点に落差33メートルの箕面大滝が現れる。イロハモミジやオオモミジ、イタヤカエデなどの紅葉が瀑布を彩る。
■見学自由/阪急箕面線箕面駅から徒歩50分/大阪中央環状線千里ICから9キロ/箕面市箕面公園/TEL:072-723-1885(箕面市観光協会)
帝釈峡【広島】
紅葉の見頃🍁11月上旬〜中旬
写真/ピクスタ
庄原市と神石(じんせき)高原町にまたがる帝釈川の18キロに及ぶ峡谷。日本最大の自然の岩橋「雄橋(おんばし)」と紅葉のコントラストが幻想的だ。下流の神龍(しんりゅう)湖は発電用ダムの貯水池で、渓谷と紅葉を映す湖面と神龍橋・桜橋・紅葉橋の赤い橋が調和する。遊覧船で湖面からの景観も楽しめる。
■見学自由/中国道東城ICから12キロ(帝釈峡第1駐車場)/庄原市東城町・神石高原町永野/TEL:0847-86-0611(帝釈峡観光協会)
中津渓谷【高知】
紅葉の見頃🍁11月中旬〜下旬
写真/ピクスタ
神秘的な青色から「仁淀(によど)ブルー」と呼ばれる仁淀川。中津渓谷はその支流にあり、遊歩道が整備されている。渓谷の紅葉に包まれて紅葉滝、雨竜(うりゅう)の滝、竜宮渕(りゅうぐうぶち)、石柱など奇観が連なる。遊歩道入り口から徒歩30分の竜宮渕は渓流と橋、紅葉が絶景だが、歩道の段差が大きく、健脚向き。
■見学自由/土讃線佐川駅からバス35分、名野川下車徒歩10分/仁淀川町名野川/TEL:0889-35-1333(仁淀川町観光協会)
高千穂峡【宮崎】
紅葉の見頃🍁11月中旬〜下旬
写真/高千穂町観光協会
高さ約80メートルの柱状節理の峡谷が両岸にそびえ、断崖やV字峡谷が約7キロ続く国の名勝・天然記念物。約1キロの遊歩道が整備され、おのころ池周辺や真名井の滝を望む御橋(みはし)が最もモミジの赤が鮮やか。貸しボート(事前予約制)に乗って川から岩壁と紅葉、青空を見上げるのが醍醐味(だいごみ)だ。
■見学自由/九州中央道山都通潤橋ICから39キロ/高千穂町三田井御塩井/TEL:0982-73-1213(高千穂町観光協会)
※記載内容はすべて掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2025年10月号)
(Web掲載:2025年10月19日)