【一度は見たい紅葉百景】日本の秋を彩る紅葉<乗り物編5選>

日本の秋を彩る紅葉は実に複雑で変化に富んだ表情を見せ、私たちに感動を与えてくれます。標高、時期、天候、時刻などによって色合いが刻々と変化するのも魅力の一つです。乗り物から楽しめる紅葉絶景を5つ紹介します。
大館・小坂鉄道レールバイク【 秋田 】
紅葉の見頃🍁10月下旬~11月中旬
清流に架かった鉄橋を渡る場所もあり、ちょっとしたスリルも楽しみだ
小坂鉱山などの物資輸送を目的として明治末期に敷設された小坂鉄道(小坂―大館<おおだて>駅間22.3キロ)の廃線跡を利用した施設。レールの上に置かれた自転車(レールバイク)を、2~4人でこいで進み、鉄道の面影を探しながらカエデやモミジなどが色付いた山あいを進む。動力車が引くトロッコもある。 滝が点在する渓谷に沿った「長木(ながき)渓谷コース」に加え、今秋は大館市街方面へ下る「ダブル鉄橋コース」も運行予定。よりバリエーションが増える。事前予約も可能で、受け付け後に乗車説明を受けてから出発する。
■11月24日までの8時45分~15時45分(10月20日以降は~14時45分)/水・木曜休、臨時休あり/レールバイク2人乗り3500円~/奥羽線・花輪線大館駅からバス20分、清風荘前下車すぐ/大館市雪沢大滝30-2地内/TEL:0186-50-2555
濃淡が入り混じる雑木林の紅葉が間近に迫る
🍁周辺の紅葉名所🍁
<十和田湖>
10月中旬~11月上旬、秋田・青森両県にまたがる十和田湖は外輪山から紅葉が始まり、徐々に湖畔へと下りて来る。遊覧船から、湖畔からと、さまざまに楽しめる。大館市方面から車で向かうなら、途中の発荷(はっか)峠展望台から見渡す紅葉も圧巻。北岸の焼山から始まる奥入瀬(おいらせ)渓流も東北屈指の紅葉名所だ。
■見学自由/東北新幹線八戸駅からバス2時間20分で北岸の焼山/東北道十和田南ICから30キロで南岸の休屋/TEL:0176-75-2425(十和田湖総合案内所)
<湯瀬渓谷>
大館市に隣接した鹿角(かづの)市の紅葉スポットとして知られる湯瀬渓谷。湯瀬温泉郷から続く4.6キロのハイキングコース(一部通行止め)は、米代川両岸に奇岩怪石が連なる。赤や黄に色付いた木々と、清流との対比が美しい。並行する花輪線の列車内からも渓谷美を愛(め)でられる。
■見学自由/花輪線湯瀬温泉駅から徒歩10分/TEL:0186-30-0203(鹿角市観光産業活力課)
猊鼻渓【 岩手 】
紅葉の見頃🍁10月下旬~11月上旬
砂鉄川が石灰岩を侵食してできた長さ2キロの渓谷。高さ100メートルの絶壁に加え、奇岩や怪石、滝が紅葉に彩られる。名物は船頭が棹(さお)1本で操る舟下り。船頭が歌う「げいび追分」が周囲の岩肌にこだまし、「世にもまれなるこの景色」の一節そのままの風景が心に残る。
■舟下りは8時30分~16時(季節により異なる)/無休(荒天時休)/1800円/大船渡線猊鼻渓駅から徒歩5分/TEL:0191-47-2341(げいび観光センター)
大井川鐵道奥大井湖上駅【 静岡 】
紅葉の見頃🍁10月下旬~11月中旬
接岨(せっそ)湖に突き出た半島状の山に設置された秘境駅。コバルトブルーの湖面と色鮮やかな紅葉の対比が美しい。駅へ向かう井川線は急坂を上るアプト式列車で、車窓に広がる山林の紅葉も圧巻だ。駅から山道と階段を上るとビューポイントがあり、湖と駅を一枚の写真に収められる。
■大井川鐵道本線家山駅からバス45分、千頭下車、井川線に乗り継ぎ1時間7分/新東名高速島田金谷ICから52キロ(奥大井湖上駅駐車場)/TEL:0547-45-4112
瀞峡【 和歌山 】
紅葉の見頃🍁11月下旬~12月上旬
吉野熊野国立公園内にある国の特別名勝で、熊野川支流の北山川沿いに高さ20~50メートルの巨岩が立ち並ぶ。北山川は昭和中頃に車道ができるまでは交通手段として使われ、所要40分の瀞峡めぐり川舟クルーズでは、点在する紅葉を見ながら秘境の趣に浸れる。
■瀞峡めぐりは3月~11月の9時~15時(前日までに要予約)/月曜(祝日の場合は翌日)休/3000円/紀勢道上富田ICから70キロ/TEL:0735-44-0987(熊野川川舟センター)
太龍寺ロープウェイ【 徳島 】
紅葉の見頃🍁11月中旬~下旬
那賀(なか)川沿いに立つ「道の駅鷲の里」から四国霊場第21番札所の太龍寺までを約10分で結ぶ。全長2775メートルで西日本最長。赤と緑色が入り混じった山肌を眼下に、那賀川、剣山(つるぎさん)、紀伊半島を見渡し山頂駅に着くと、モミジやカエデ、イチョウなど色とりどりの紅葉が古寺を彩っている。
■8時~17時/無休/往復2600円/牟岐(むぎ)線桑野駅からバス16分、和倉東下車徒歩10分/TEL:0884-62-3100
※記載内容はすべて掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2025年10月号)
(Web掲載:2025年10月11日)