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【新・日本の絶景】プラモデルの聖地に新名所が誕生(2)

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【新・日本の絶景】プラモデルの聖地に新名所が誕生(2)

ボランディアガイドの古牧資晟さんに広重の浮世絵について聞く田畑さん

静岡絶景の王道はやはり富士山

【新・日本の絶景】プラモデルの聖地に新名所が誕生(1)から続く

静岡の絶景といえば、やはり富士山は見逃せない。「たびよみリポーター」の田畑英河さんは、続いて静岡市清水区の薩埵峠(さったとうげ)に向かった。歌川広重の浮世絵「東海道五十三次」で知られる絶景ポイント。土砂崩れで通行止めになっていた展望台への遊歩道が2025年1月に復旧した。駐車場から徒歩5分ほどの木製の展望台に上ると、眼下に駿河湾が広がり、晴れていればその向こうに雄大な富士山を望む。

薩埵峠から望む富士山の雄姿(写真/静岡県観光協会)
歌川広重「東海道五拾三次之内 由井 薩埵嶺」(静岡市東海道広重美術館蔵)

急峻(きゅうしゅん)な崖が海に迫り、波打ち際に東海道線、東名高速、国道1号がひしめき合って走っている。風景は大きく変わっても、構図は江戸時代に広重が描いた浮世絵とそっくりだ。

ボランティアガイドの古牧資晟(もとあき)さんの説明を聞きながら、田畑さんは「富士山が見えなくて残念でしたが、伊豆半島の先の方まで見えました。晴れていたら相当きれいなんでしょうね」と遠くを眺めていた。

展望台の下に広がる景色を眺める田畑さん。「広重が描いた景色とそっくりですね。江戸時代からたくさんの人がここを行き来したんですね」
薩埵峠に近い旧東海道には江戸時代の道標が残る。「何でも変わっていく中でちゃんと古いものも残っているんですね。歴史のロマンを感じます」と田畑さん

由比(ゆい)駅へ向かう旧東海道沿いの高台に立つ「くらさわや」は、駿河湾名産のサクラエビ料理とともに絶景を楽しめる店。サクラエビの釜めしやかき揚げを堪能した。

絶景を楽しみながらサクラエビ料理を味わう田畑さん。「小さいのに身がしっかりしていて、ナマはしっとりして甘味があり、かき揚げはサクサクして香ばしく、とてもおいしかったです」
釜めしやかき揚げなどサクラエビ尽くしの桜えびセット3250円

最後は富士山絶景の名所、日本平夢テラスへ。一周200メートルの展望回廊をぐるりと回ると、富士山だけでなく、駿河湾、伊豆半島、三保松原、静岡の街、南アルプスの山々などを見渡せる。

日本平は静岡を代表する富士山の絶景スポット(写真/日本平夢テラス)
360度の大パノラマが広がる展望回廊からの景色
富士山と駿河湾の絶景に目を見張る田畑さん

施設内2階のラウンジで静岡茶を味わいながら、改めて静岡の新旧の絶景に思いを巡らせた。「少しずつ日が差してきて、富士山がちょろっと頭をのぞかせてくれました。海がきれいで、さすがの絶景ですね。風が少し冷たかったけど、お茶が温かくてほっとしました」と田畑さん。今度は快晴の日に訪れたいものだ。

文/山脇幸二 写真/齋藤雄輝 モデル/田畑英河 ヘアメイク/依田陽子

日本平夢テラスの2階ラウンジでお茶を飲み、ほっと一息
煎茶、ほうじ茶、和紅茶の3種が味わえる静岡茶テイスティングセット900円
富士山のイラストが入った湯のみ茶わんを眺める田畑さん。「ここにも富士山がいました!静岡らしくてよいですね」
静岡の絶景旅を振り返る田畑さん。「プラモデル工場でガンダムに会えたし、富士山もちょっとだけ拝めました。また心に染みるような絶景を見に旅に出たいと思います」

薩埵峠展望台
ベストシーズン:冬季
見学自由
交通:東海道線由比駅からバス4分、倉沢漁業事務所下車徒歩20分/東名高速清水ICから9キロ
住所:静岡市清水区由比西倉沢
問い合わせ:静岡市スポーツ振興課/TEL:054-221-1071

くらさわや
ベストシーズン:3月下旬~6月上旬、10月下旬~12月下旬
営業:11時~14時、17時~19時/月曜(祝日の場合は翌日)休
交通:東海道線由比駅から徒歩19分/東名高速清水ICから12キロ
住所:静岡市清水区由比東倉沢69-1
TEL:054-375-2454

日本平夢テラス
ベストシーズン:冬季
営業:9時~17時(土曜は~21時)/第2火曜(祝日の場合は翌平日)、年末(12月26~31日)休/入場無料
交通:東海道新幹線静岡駅からバス40分、日本平夢テラス入口下車徒歩5分/東名高速日本平久能山スマートICから4キロ
住所:静岡市清水区草薙600-1
TEL:054-340-1172

※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2026年1月号)
(Web掲載:2025年11月◀▶日)


Writer

山脇幸二 さん

2022年6月に編集部に着任し、8月から編集長。読売新聞の記者時代は27年にわたって運動部でスポーツ取材に明け暮れた。一時は月の半分近くが出張という生活で、旅行しながら仕事しているような状態だった。今やその旅行が仕事になろうとは…。趣味はロック鑑賞で、ライブやフェスに通うことで身も心も若さを保とうと悪あがきする。矢沢永吉さんを尊敬し、ともに歳を重ねていける幸せをかみしめる日々。

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