【鉄道ひとり(一人)旅】\教えて!/はじめての鉄道ひとり旅(旅の文筆家/蜂谷あす美)
鉄道ひとり旅にチャレンジしてみたいけれど、どこからどう手を着ければいいの? 鉄道旅行術の著書もある、鉄旅の達人・蜂谷あす美さんに、その魅力とコツを聞きました。
Q1:鉄道ひとり旅の魅力
鉄道ひとり旅の最大の魅力は、自由度の高さにある。景色を眺め、読書し、うとうとするなど誰にも気兼ねせず、自分のペースで過ごせる至福の時間が流れる。さらに、車内では地元の人々の日常に触れられる。方言が聞こえてくると、自分が「旅人」であることを実感する。誰かの日常が、私の非日常になる。そんな境界線上で浮かび上がる自分の輪郭を見つめる時間も、鉄道ひとり旅だからこその醍醐味(だいごみ)といえる。
Q2:プランニングのコツ
計画を立てること自体が、旅の楽しみの始まりだ。旅の目的、行き先を決めたら、乗り換え検索アプリで目的地までの行程を考えてみよう。「有料特急を利用」や「普通列車のみ利用」など、乗りたい列車に合わせて条件を設定すると便利。幹となる部分ができたら、気になる途中駅で下車するプランや、乗り換え駅で時間があれば駅弁、駅そばを組み込むなど枝葉の部分を追加していく。旅先で「この街をもう少し満喫したい」と気持ちが変わることもある。詰め込み過ぎない行程づくりを心掛けるか、複数パターンの行程を用意しておくと安心だ。
Q3:きっぷのおいしい話
鉄道旅に最低限必要なきっぷ「乗車券」は、距離が長いほど割安になるうえ、101キロ以上の区間なら途中駅で改札を出ることも可能だ。例えば「東京-大阪」の乗車券があれば、名古屋や京都に立ち寄っても1枚で済む。特急や新幹線に乗る場合は、乗車券に加えて「特急券」が必要になる。最近は「スマートEX」(東海道・山陽・九州新幹線)のように、乗車券と特急券が一体型になったネット予約も便利だ。乗車前なら何度でも列車を変更できる(紙のきっぷは1回まで)。ほかにも「エリア内乗り放題」など多彩なお得きっぷがあるので、「目的エリア+お得なきっぷ」で検索してみよう。

Q4:あると便利な持ち物
旅先ではスマホを頻繁に使うため、モバイルバッテリーを忘れずに。また、カバンに詰め込んでもシワになりにくい化繊のパーカーなどがあると車内の冷暖房対策に役立つ。荷物については、鉄道旅行では乗り換え時に階段の上下移動が多いため、キャリーバッグよりもリュックのほうが断然動きやすい。

Q5:行程で注意したいこと
空腹は耐えられても、我慢できないのがトイレ。普通列車にはトイレのない車両もあるので注意が必要だ。具体的には左沢(あてらざわ)線(山形)の全列車と、JR四国の一部路線。乗車前に済ませるプランニングを。一方、これらの列車の中には、途中駅で10分程度停車するものもある。駅のトイレに立ち寄れるだけでなく、駅弁や飲み物を買ったり、駅舎を撮影したり、駅スタンプを押したりする時間も確保できる。こうした停車時間を割り出すためにも、紙の時刻表が手元にあると便利だ。
文/蜂谷あす美
※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2026年3月号)
(Web掲載:2026年3月24日)


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