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【歩く旅】謎の石造物や宮殿跡を繋ぐ道で日本の始まりに想いを馳せる<明日香>(1)

場所
> 明日香村
【歩く旅】謎の石造物や宮殿跡を繋ぐ道で日本の始まりに想いを馳せる<明日香>(1)

桜と菜の花が同時に見頃を迎える春、明日香は1年のうちで最も美しい表情を見せる(写真/ピクスタ)

歴史の中心地だったことを実感する明日香村

奈良と言えば、東大寺の大仏と奈良公園の鹿を思い浮かべる人は多いだろう。だが、そこから少し足を延ばすだけで全く異なる奈良の風景を目にすることができる。その一つが、日本の国づくりが始まった地、明日香村だ。7世紀の飛鳥(あすか)時代には天皇の宮が置かれ、国家の基盤を築くための改革や皇位継承を巡る政変が繰り返された。その痕跡が遺跡や古墳として村内のあちこちに点在。いにしえから変わらない道を歩いてたどると、辺り一帯が歴史の中心地だったことを実感する。

折しも、明日香村では「飛鳥・藤原の宮都(きゅうと)」が2026年、世界遺産に登録されるかという話題でもちきり。古代に想いを馳せながら里山をのんびり散策するなら、今こそチャンスと言えそうだ。

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のどかな里山が続く明日香路。田畑の間を縫うように歩いていく

明日香路のスタートは近鉄飛鳥駅前の「道の駅飛鳥」から。情報収集と休憩の拠点となる「飛鳥びとの館」で観光マップをもらい、コース全体を把握しておきたい。ここで気になるワードを発見。「明日香には謎の石造物がいっぱいある」という。

謎の石造物の一つ「鬼の雪隠(せっちん)・鬼の俎(まないた)」は、里山風景を眺めつつ歩いていると突然現れた。説明板には「古墳の石室の一部」と書いてあるが、なぜこの場所にあるのかはいまだに分からないらしい。その異様な姿から、地元には「人喰い鬼伝説」も伝わる。道に迷った旅人を鬼がまな板で料理し、食べたあとに雪隠で用を足したというものだ。

恐ろしい伝説は二つめの謎「亀石」にも。亀がほほ笑んでいるように見える巨石で、愛らしい姿をカメラに収めようと多くの観光客が訪れる。亀はかつて東を向いていたが少しずつ移動し、現在は南西向きに。いつか西を向いた時、奈良盆地は泥の海に沈むとか……。今回の散策コースの近くには猿石や二面石などこれまた謎めいた石造物があるので、時間があれば立ち寄りたい。

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宮殿エリアと陵墓エリアの境目にある亀石。亀は天皇家の墓がある方向を見ているのだとか

道の駅飛鳥

近鉄飛鳥駅前にあり、総合案内所「飛鳥びとの館」には観光パンフレットや明日香限定グッズもそろう。農産物直販所「あすか夢販売所」ではこの時期、特産の「あすかルビー」がおすすめ。大粒のあすかルビーをのせた「贅沢(ぜいたく)いちごソフト」600円は土・日曜限定。
■8時30分~17時(あすか夢販売所は9時~)/年末年始休/近鉄吉野線飛鳥駅からすぐ/明日香村越6-2/TEL:0744-54-5670

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明日香周遊のみち

およそ1400年前の飛鳥時代に都が置かれた飛鳥の歴史と文化をたどる道。世界遺産の構成資産候補となっている宮殿跡や古墳、石造物など、当時の様子を伝える遺跡がのどかな里山の景観の中に溶け込んでいる。

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文/橋長初代 写真/宮川 透

 【歩く旅】謎の石造物や宮殿跡を繋ぐ道で日本の始まりに想いを馳せる<明日香>(2へ続く(4/2公開)


◉モデルコース
[ 徒歩距離◎9.1キロ ]
[ 徒歩時間◎2時間10分 ]

近鉄吉野線飛鳥駅 START
 ⬇( すぐ)
道の駅飛鳥
 ⬇ 1.3キロ(20分)
鬼の雪隠・鬼の俎
 ⬇ 700メートル(11分)
亀石
 ⬇ 1.5キロ(22分)
🌸石舞台古墳
 ⬇ 120メートル(2分)
ブランシエラ 石舞台テラス
 ⬇ 1キロ(13分)
飛鳥宮跡
 ⬇ 1.6キロ(23分)
🌸甘樫丘展望台
 ⬇ 2.9キロ(40分)
飛鳥駅 GOAL

※🌸は桜を楽しむスポット

■問い合わせ/TEL:0744-54-3240(飛鳥観光協会)

※記載内容はすべて掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2026年4月号)
(Web掲載:2026年4月1日)


Writer

橋長初代 さん

奈良県在住。7年前にUターンしたのを機に奈良の魅力を再認識し、奈良検定に挑戦。奈良まほろばソムリエを取得し、観光ガイドをめざして修行中。銭湯・温泉、台湾、ドラマ好き。趣味はスイカといちご、野菜の自家栽培。仕事をかねた気楽なひとり旅が多く、時間がある限り、レンタカーで観光スポットや地元の名店を巡っています。

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