【お得きっぷで鉄道旅】東北6県をぐるりと周遊 夏に食べたい名物麺を訪ねて(1)~仙台発◎青春18きっぷ3日間~
花輪線の東大更(ひがしおおぶけ)―好摩駅間。列車は雄大な岩手山を望みつつ、のどかな田園地帯を進んでいく(写真/伊藤岳志)
東北線・花輪線・奥羽線・磐越西線 ほか
[盛岡]=[弘前]=[横手]=[山形]=[会津若松]ほか
普段、旅に出る時は自家用車。鉄道なら速さ重視で新幹線だったが、青春18きっぷを使えば、在来線を3日間乗り継ぎ、ご当地グルメを楽しみながら東北を一周できるという。
仙台駅から東北線で出発。塩釜駅を過ぎると松島湾の海が見えて旅の雰囲気がぐっと上がる。小牛田(こごた)駅で乗り継いだのはワンマンカー。見渡す限りの田園風景にうっとり見惚(みと)れる。無人駅では乗客が先頭車両最後方のドアから乗り、運転席すぐ後ろのドアから降りる。運転手さんが運賃箱の後ろに立ち、下車するお客さんに「ありがとうございます」とかける声が温かくてほっこりした。
一ノ関駅で乗り継ぐと、前方に見えてきた岩手山が徐々に大きくなり、盛岡駅に到着。ここで立ち寄ろうと決めていたのは光原(こうげん)社だ。宮沢賢治の『注文の多い料理店』を出版したことで知られ、民芸運動を主導した柳宗悦(やなぎむねよし)らとの交流から、全国各地の工芸品などを扱う店になった。資料室で賢治直筆の原稿などを眺め、岩手の漆器をはじめ国内外の工芸品にじっくり触れることができた。


写真2点/三浦健太郎
光原社<盛岡> 工芸品を販売する本店敷地内には宮沢賢治の資料室のマヂエル館、海外の工芸品を扱うカムパネラ、喫茶店の可否(コーヒー)館、向かいには東北の手仕事や食品の物産館・モーリオがある。
■10時〜18時(土曜は〜17時30分、冬季変更あり、可否館は~16時30分) /毎月15日(土・日曜、祝日の場合は翌平日)休/岩手県盛岡市材木町2-18/東北新幹線盛岡駅から徒歩10分/TEL:019-622-2894
土地に根差した麺は個性的で懐にも優しい。盛岡冷麺は、わんこそばやじゃじゃ麺と並び盛岡三大麺の一つ。「ぴょんぴょん舎 盛岡駅前店」など駅周辺で食べられるのもうれしい。ツルツル弾力のある麺と牛骨ベースのコクのあるスープ、爽やかな酸味と辛味のキムチの相性が抜群で、街歩きで汗ばんだ体に染み渡った。

ぴょんぴょん舎 盛岡駅前店<盛岡> 1987年創業の老舗・ぴょんぴょん舎の支店。3フロア、客席数250席。盛岡冷麺1210円をはじめ、焼肉とのセットメニュー2090円〜も楽しめる。夏場は冷麺に滝沢スイカがのる。
■11時時〜22時/無休/岩手県盛岡市盛岡駅前通9-3/東北新幹線盛岡駅から徒歩2分/TEL:019-606-1067

開運橋から見た岩手山
IGRいわて銀河鉄道と花輪線で大館へ、さらに奥羽線で弘前駅を目指す。地図を見ると真っすぐ北上する高速道路と違い、十和田南駅からぐるりと大館経由で碇(いかり)ヶ関へ向かうのだなと気付く。弘前では津軽そばを。軟らかくプツンと切れるそばは大豆粉をつなぎに3日かけて作られる。「食感が面白いでしょう。麺はスーパーでも買えて家庭でも食べますよ」と地元の人が教えてくれた。

ダシのきいた温かい汁の津軽そば案(写真/ピクスタ)

中央弘前駅から、夏限定の弘南鉄道大鰐線「金魚ねぷた列車」に乗るのも一案(写真/ピクスタ)
文/堀内志保
【お得きっぷで鉄道旅】東北6県をぐるりと周遊 夏に食べたい名物麺を訪ねて(2)~仙台発◎青春18きっぷ3日間~へ続く(7/24公開)

※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2026年7月号)
(Web掲載:2026年7月23日)


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