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【絶景&グルメ 観光列車の旅】筑豊の田園と里山をのんびり走る 深紅のボディーのおしゃれな列車 平成筑豊鉄道「ことこと列車」

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【絶景&グルメ 観光列車の旅】筑豊の田園と里山をのんびり走る 深紅のボディーのおしゃれな列車 平成筑豊鉄道「ことこと列車」

福智山を背景に走ることこと列車。山麓には、遠州七窯の一つ、上野焼の里が広がる(写真/小林正朋)

食通も満足させる創作本格フレンチ

平成筑豊鉄道の「ことこと列車」は、通常1時間30分の行程を3時間20分かけて、のんびりと旅情とコース料理を楽しむ観光列車だ。直方(のおがた)駅を出て田川伊田駅まで行き、いったん直方駅へ引き返す。再び田川伊田駅に向かい、今度は行橋(ゆくはし)駅を目指す。

車両のデザインは、JR九州の「ななつ星in九州」などを手掛けた水戸岡鋭治氏の手による。深紅の車体は筑豊の風景に映える。料理はミシュラン一つ星の福岡市内のレストランの福山剛(ごう)シェフが、沿線の食材をふんだんに使って創作した本格フレンチ。食通も満足させるメニューだ。

直方駅を出て約10分、列車は市場(いちば)駅付近で停車した。東側に沿線の最高峰・福智山(901メートル)がよく見える。西に目を移すと、低山が連なり、周辺には特産の赤池梨の梨園が点在する。収穫期の7月下旬〜10月中旬には、農産物直売所などがにぎわう。

車窓の風景に見とれているうちに、色とりどりの野菜などが木箱に収められたオードブル「ことことBOX(ボックス)」が運ばれ、乗客が一斉に箸を動かし始めた。田川伊田駅に到着すると、アコーディオン奏者Rii(りい)さんとシンガーソングライターあかたろさんの歌と演奏が待っていた。同じ列車に乗り合わせた連帯感からか、自然と手拍子が起こり、旅のムードが一段と盛り上がった。

3.演奏.jpg
田川伊田駅ではRiiさん(右)とあかたろさんがアコーディオンと歌で出迎えてくれた

列車が直方駅へ引き返す間も、次々と料理が出てくる。メインディッシュの和牛ほほ肉のパピオットは、口の中で肉がほろほろとほどけ、オリジナルソースと絡んで絶妙な味わい。揺れる車内でもてきぱきと皿やグラスを運び、笑顔を絶やさない4人の女性クルーの姿も印象的だった。

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沿線でとれた食材を使ったフレンチのフルコース

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しゃれた内装の車内で、風景を楽しみ、おいしい料理を味わう

6.ことこと配膳.jpg
女性クルーがいつも笑顔で接してくれる

7.ことことジュレ.jpg
新タマネギのブラマンジェ。ジュレの中にウニとカニが入っていた

田川伊田駅に戻ると、香春岳(かわらだけ)の南側に回り込み、東進する。香春岳の一の岳は、かつては500メートル以上の標高があったが、石灰石の採掘で上部が削られ、平らになっている。

行橋駅までは深い森と里山の景色が続く。民家はぽつぽつとしかないが、列車に向かって手を振る人々が多いのに驚かされる。

やがて行橋駅へ到着。サービス満点の「ことこと列車」は、心を満たしてくれる列車だった。平成筑豊鉄道は将来的に廃止されることが決まっている。日程などは未定だが、筑豊炭田の石炭を輸送していた歴史を持つ路線が姿を消してしまうのは残念だ。また乗りに来たいと思った。

2.ことこと記念撮影.jpg
油須原(ゆすばる)駅では、線路に降りて車両と記念撮影ができる

文・写真/太田正行

沿線観光

田川市石炭・歴史博物館

ユネスコ「世界の記憶」に登録されている「山本作兵衛コレクション」は、炭坑記録画、日記、雑記帳などで構成される。常時原画2点が展示され、年2回の企画展では、数十点を見ることができる。隣接する石炭記念公園には田川市のシンボルとされる二本煙突や竪坑櫓(たてこうやぐら)が保存されている。
■9時30分~17時/月曜(祝日の場合は翌平日)休/400円/田川市伊田2734-1/田川伊田駅から徒歩8分/TEL:0947-44-5745

8.石炭煙突.jpg

9.石炭展示.jpg

🚊ことこと列車🚊

◉運行区間:直方―行橋(約3時間20分)
◉運行日:土・日曜、祝日に1日1本(一部日程を除く)
◉料金:1万9800円
◉予約方法:出発日の10日前まで。定員になり次第締め切り
◉問い合わせ:日本旅行 九州いい旅予約センター TEL:0570-048-908

◉時刻表
直方   11:32発
田川井田 12:01着 12:05発
直方   12:35着 12:57発
金田   13:13着 13:25発
田川伊田 13:35着 13:50発
油須原  14:07着 14:18発
行橋   14:52着


※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2026年7月号)
(Web掲載:2026年8月4日)


Writer

太田正行 さん

1959年生まれ。フリーランスのライターとして旅行ものなどを手がける。中央大学時代にサハラ砂漠でラクダを一頭買い、単独行で砂漠を約500km旅した経験を持つ。40歳代後半に農産物直売の会社を設立。独自のシステムを作り、時間にゆとりができた現在は、各方面に活動の範囲を広げている。

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