【旅する喫茶店】カフェ マチエール(福岡)
タイルを生かしおしゃれな雰囲気の店内
門司の大正期築のレトロビルで港時間を
関門海峡に面する門司港は、明治〜昭和初期に国際貿易港として栄え、洋館や赤レンガ建築の建物が今も残っている。1917年築の旧大阪商船ビルもその一つ。八角形の塔屋が印象的な建物で、国際航路の待合室や税関などが置かれていた。
「当時はこのビルの前が海で、ここから船に乗降したといいます。港で最も高層で、色も鮮やかなこのビルを見て、乗船客は門司港に着いたと実感したそうです」と語るのは、「カフェ マチエール」のスタッフの堀川志保さん。
同店は、2012年に堀川さんの母が旧大阪商船ビルの1階にオープン。建物の回廊を利用した天井の高い開放的な店内には、オレンジ色の化粧タイルや、職人技が光る山型の目地(めじ)、船を留めるロープを結び付けた金具などが現存する。
3
国の登録有形文化財の旧大阪商船ビル

ロープ止め金具を示すスタッフの堀川志保さん
注文ごとに1杯ずつ入れる「門司港オリジナルブレンドコーヒー」は、惜しまれながら閉店した地元の老舗「喫茶とらや」の味を受け継いだという。とろりとした柔らかな口当たりで、コクのある豊かな味わいだ。「焼きバナナのハニートースト」もおすすめ。たたき売り発祥の門司名物のバナナを、皮が黒くなるまで焼いて濃厚な甘さに。バルサミコ酢の酸味やカラメルのほろ苦さが、大人の味を演出している。
コーヒーと焼きバナナの味わいに、港町の歴史と地元愛を感じられる。
4
焼きバナナのハニートースト950 円、門司港オリジナルブレンドコーヒー600 円(2杯目は400円)
文・写真/児島奈美
福岡県北九州市門司区港町7-18
TEL:093-321-4747
営業:12時30 分~16時30 分(土・日曜、祝日は~17 時30 分)/不定休
交通:鹿児島線門司港駅から徒歩すぐ
※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2026年8月号)
(Web掲載:2026年8月5日)


Tweet
Share