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【旅する喫茶店】珈琲専門館 伯爵 巣鴨店(東京)

場所
> 豊島区
【旅する喫茶店】珈琲専門館 伯爵 巣鴨店(東京)

刺繍(ししゅう)が美しい布張りのチェアが並ぶ店内。天井にはシャンデリアが輝く

巣鴨の隠れ家で、懐かしの味に出合う

多くの買い物客でにぎわう巣鴨駅前。その喧騒(けんそう)を抜けた先に、「珈琲(コーヒー)専門館 伯爵」は静かに佇(たたず)んでいる。

店内に一歩足を踏み入れると、天井で輝くシャンデリアと色鮮やかなステンドグラスが迎えてくれる。華やかに生けられた花にアンティーク調のチェア。「昭和の古き良き喫茶店」のイメージがそのまま現れたような、居心地の良い空間だ。

創業は1978年。「40年以上、毎日のように通ってくださるお客様もおられます」と、支配人の三田村豊さんは誇らしげに語る。

「自慢の味です」と三田村さんが推薦してくれたプリンは、固めの舌触りに優しい甘みがうれしい。料理の一番人気はナポリタン。ケチャップの甘みと仕上げの粉チーズ。昭和のナポリタンは素朴ながら奥深い味を生み出している。

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懐かしい昭和のプリンは単品が730円。コーヒーか紅茶とセットで1130円

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「粉チーズたっぷりがおすすめです」と三田村さん。ナポリタン850円

実はこの二つのメニューには共通点がある。「どちらも一度、メニューから外れたんですよ。でも時代が一周したんでしょうね」。そう言って三田村さんが笑うとおり、懐かしい味との再会を求めるファンの声に押され、創業時の味そのままに復刻されたのだという。

窓際の席に腰を下ろし、ゆっくりとコーヒーを口に運ぶ。ネルドリップで丁寧に淹(い) れたブレンドコーヒーは、酸味の利いた伝統的な味わい。そこには都会の喧騒を忘れさせる、緩やかな時間の流れがあった。

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店の入り口は国道沿いと裏路地側の2か所にある

文・写真/阪口 克


珈琲専門館 伯爵 巣鴨店
東京都豊島区巣鴨1-12-3
TEL:03-3947-7855
営業:7時~ L.O.19時30分(料理はL.O.19時)/無休
交通:山手線巣鴨駅から徒歩2分

※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2026年4月号)
(Web掲載:2026年4月23日)


Writer

阪口 克 さん

奈良県出身。航空会社機内誌や、多くのアウトドア雑誌で取材と撮影を担当する。オーストラリア大陸1万2000キロを自転車で一周し、帰国後フリーランスに。自宅は家族・友人とDIYで建築。旅と自然の中の暮らしをテーマに活動。著書に「家をセルフでビルドしたい」(草思社文庫)「冒険食堂」(ヤマケイ新書)「焚き火のすべて」(草思社)など。

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