信長が愛した鵜飼と天下布武の城
金華山の麓にある岐阜城楽市から山上の岐阜城を望む
1300年以上の歴史を持つ伝統漁法「ぎふ長良川の鵜飼」
金華山の山頂に岐阜城を築き、天下統一への拠点とした織田信長。それをはるかにさかのぼる1300年以上の歴史を持つのが伝統漁法「ぎふ長良川の鵜飼」である。鵜匠が10羽ほどのウミウを船上で巧みに操り、鮎を次々と捕らえる。
鵜飼は信長や徳川将軍家など、時の権力者に保護され、明治時代以降は宮内庁の管轄となった。鵜匠は現在、宮内庁式部職の職員であり、年8回御料鵜飼が行われている。6家のみの世襲制で、長男に一子相伝で技術が伝えられる。
鵜飼は川岸から見学することもできるが、観覧船に乗ると鵜舟と並走して間近に見られる。夜のとばりが下り、4発の花火が上がると開始の合図で、鵜舟のかがり火が1艘ずつ近付いてくる。「ホウホウ」という鵜匠の声と鵜の羽音が交錯する中、流れに任せて静かに下っていく。


隊列を組み直し、6艘の舟が横に並ぶとクライマックスの「総がらみ」が始まる。「静」から「動」へ変化し、船べりを叩きながら鮎を追い込む。一気に盛り上がり、その後に訪れる静寂を、松尾芭蕉は「おもしろうて やがて悲しき 鵜舟かな」と詠んだ。
※動画は、総がらみの様子
鵜飼の前後に寄りたいスポット
観覧船乗り場の対岸に立つ「長良川うかいミュージアム」は鵜飼をシアターで紹介しているほか、体験型の展示がある。鵜飼観覧の前に見ておきたい。

観覧船乗り場から続く川沿いの一角は格子戸の町家が連なる「川原町」。信長の前の斎藤道三の時代から長良川の舟運で栄えた町の雰囲気が今も残る。和傘や岐阜うちわなど工芸品だけでなく、カフェやパン店などリノベーションした店舗もあるので、のんびり散歩したい。
長良川の川沿いに数軒の温泉宿があり、赤褐色の単純鉄冷鉱泉を楽しめる。鵜飼開催期間は鵜飼観覧がセットになった宿泊プランが設定されている。


現代の楽市楽座から天下を望む山上へ
長良川や川原町を見下ろすように立つ岐阜城へ出陣したいところだが、その前に金華山の麓に2025年4月にオープンした岐阜城楽市へ。木造平屋の建物がL字型に並び、飲食や物販など地元ゆかりの11店舗が軒を連ねる。朝早い時間から中京圏ならではのモーニングを提供する店もある。

いよいよ山上へ向かう。かつての大手道など登山道が延びており、標高329mの山頂まで30分から1時間ほどで登れる。武士が刀を差して登った山も、現代はたった4分のロープウェー乗車で運んでくれる。
山頂駅から岐阜城まで、歩いて10分。岐阜城は2027年10月頃まで改修工事のため休館するが、山頂駅近くにある展望台からの絶景は一見の価値がある。眼下の岐阜の街並みだけでなく、濃尾平野の中にそびえる名古屋の高層ビルまで望める。
展望台の下はレストランで、景色を眺めながら食事やオリジナルドリンクを楽しめる。ロープウェーやレストランは夜間営業する日があり、昼とはがらりと変わる夜景も見どころだ。
ぎふ金華山ロープウェーでは、2026年7月から索道印の販売を始めた(紙300円、デジタル550円)。御朱印のロープウェー・リフト版というべきもので、索道印を貼る索道印帳(2200円)もある。紙版はロープウェーと岐阜城がイラストで描かれており、デジタル版は動画になっている。(索道印の詳細は👉こちら)






人気再燃のたまりしょう油と建築も必見の図書館
長良川から数百メートル北にある山川醸造は1943年創業のしょう油の蔵元。一般的な濃口しょう油ではなく、2年かけて発酵・熟成させる「たまりしょう油」を木桶で仕込んでいる。
東海地方では一般的なたまりしょう油の蔵元は減っており、コストのかかる木桶仕込みをしている蔵は希少。それでも「タンクと木桶では、しょう油の風味が全く異なる」と3代目の山川晃生さんは木桶仕込みにこだわる。近年はグルテンフリーがヨーロッパで人気となり、輸出が増えているという。蔵見学も可能だ(3人以上、要予約。1000円)。



「みんなの森 ぎふメディアコスモス」は岐阜市立図書館を中心とした複合施設で、川原町や岐阜城楽市から徒歩圏内にある。伊東豊雄が設計した建物は岐阜県産ヒノキの板を格子状に組み合わせた屋根が特徴で、波打つさまは山並みをイメージさせる。
「グローブ」と呼ばれる大きな天蓋が吊り下げられ、広大な空間を自然光がやわらかに照らす。本を読むことはもちろん、利用者はさまざまな過ごし方をしており、旅行者にも心地よい時間を約束してくれる。




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