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【低山と温泉へ】歴史の舞台になった自然豊かな山 金華山<標高329m・歩行距離5.2km・歩行時間2時間10分>

場所
  • 国内
  • > 北陸・中部・信越
  • > 岐阜県
> 岐阜市
【低山と温泉へ】歴史の舞台になった自然豊かな山 金華山<標高329m・歩行距離5.2km・歩行時間2時間10分>

岐阜城天守閣最上階から、長良川と岐阜市内の街並みを眺める(写真/宮川 透)

山頂からのパノラマビューは壮観

岐阜市の中央に位置する金華山は標高329メートル、岐阜城天守閣が山頂にそびえ、市内外からその姿を望めるとあって、岐阜市のシンボル的存在だ。斎藤道三や織田信長が居城し、戦国時代の歴史の舞台になった特別な山でもある。

ロープウェイを使えば簡単に登れるが、歩いても30分~1時間程度。天然林が広がり、10コースもの登山道が整備されている。中でも「七曲り登山道」は、最も登りやすいコース。岐阜城の大手道として人々が登った道でもある。往時に思いをはせながら歩くのもいいだろう。

岐阜公園の南側、岐阜森林管理署のそばから登山道が始まる。道幅も広く、勾配もなだらかで歩きやすい。しばらく進むと、金華山に最も多く分布する常緑広葉樹、ツブラジイの森。5月頃に薄い黄色の花をつけ、西日に照らされると黄金のように輝いて見えることから、金華山という名前が付いたという説もあり、岐阜市の木にもなっている。

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ツブラジイの森の向こうに小さく岐阜城が見える(写真/岐阜市)

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七曲り登山道は道幅も広く初心者でも歩きやすい(写真/岐阜市)

3分の1ほど過ぎた辺りからは階段状の道が続くが、ロープウェイの山頂駅を過ぎれば頂上は近い。城までの距離を記した道標も見られる。

岐阜城天守閣は1956年に復興された4階建ての鉄筋コンクリート造りで、最上階からの360度遮るもののない眺めは格別だ。山頂付近にはぎふ金華山リス村や展望レストランもあり、子ども連れのハイキングでも楽しめるだろう。初心者はロープウェイで下山する手もある。

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復興された岐阜城天守閣。1~3階には信長に関する資料も展示(写真/宮川 透)

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ぎふ金華山ロープウェー。山麓駅と山頂駅を約4分で結ぶ(写真/岐阜市)

下りは眺望のいい「めい想の小径(水手道<みずのてみち>)」を歩きたい。矢印に従い、山頂から急な階段を下りると、しばらくはゴツゴツした岩場の狭い道が続くが、15分くらいで一度視界が開ける。ビューポイントの看板が立ち、遠く伊吹山や養老山脈、間近に岐阜市最高峰の百々(どど)ヶ峰も見える。長良川や市街も見下ろせ、撮影スポットにもなっている。

さらに下ると、中腹付近に幹の太さが1メートル以上はありそうな見事なスギやヒノキの大木がある。推定樹齢は100年を超えるそう。その先は次第に道もなだらかになり、三重塔が見えたらゴール間近だ。

長良川沿いには日帰り入浴を行うホテルもあるので、営業日を確認して訪ねよう。「ぎふ長良川温泉 ホテルパーク」の露天風呂は眺望が有名。ゆったりつかりながら、汗して登った山を眺めるのもいい。

文/高崎真規子

♨立ち寄り温泉

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ぎふ長良川温泉 ホテルパーク ◉長良川温泉

鵜(う)飼いで有名な長良川沿いに立つ創業130年の老舗ホテルで、日帰り入浴ができる。眺望にも定評があり、金華山に一番近い風呂といわれる「山の湯」から仰ぎ見る岐阜城は感動的だ。「川の湯」の目の前には長良川が流れ、露天風呂からは夕日に染まる川面や岐阜城が眺められる。
■13時~20時(日によって異なる。HPで要確認)/不定休/1000円/岐阜市湊町397-2/岐阜駅からバス20分、長良橋南・川原町下車徒歩3分/TEL:058-265-5211


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【登山データ】

■交通[鉄道]東海道線岐阜駅、名鉄岐阜駅からバス15分、岐阜公園・岐阜城下車徒歩10分[車]東海北陸道関ICから国道248号、156号経由13.5キロ
■問い合わせ/TEL:058-265-3984(岐阜市観光コンベンション課

アドバイス

山頂の展望レストランやカフェで軽食が取れる。下りの「めい想の小径(水手道)」は急勾配の狭い道や岩肌もあるので、不安な場合は「七曲り登山道」を往復してもいい。初心者や家族向けには岩戸公園入口スタートの東坂ハイキングコースもおすすめだ。

※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2025年6月号)
(Web掲載:2025年7月22日)


Writer

高崎真規子 さん

昭和の東京生まれ。80年代後半からフリーライターに。2015年「旅行読売」の編集部に参加。ひとり旅が好きで、旅先では必ずその街の繁華街をそぞろ歩き、風通しのいい店を物色。地の肴で地の酒を飲むのが至福のとき。本誌連載では、大宅賞作家橋本克彦が歌の舞台を訪ねる「あの歌この街」、100万部を超える人気シリーズ『本所おけら長屋』の著者が東京の街を歩く「畠山健二の東京回顧録」を担当。著書に『少女たちはなぜHを急ぐのか』『少女たちの性はなぜ空虚になったか』など。

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