【低山と温泉へ】双耳峰から関東平野を一望 巨岩・奇岩巡りも迫力満点 筑波山<標高877m・歩行距離4.8キロ・歩行時間2時間40分>(1)

女体山から男体山を見下ろす。その向こうに広大な関東平野が見渡せる(写真/ピクスタ)
多くの詩歌に詠まれ、信仰の山としても崇敬されてきた筑波山
筑波山は標高871メートルの男体(なんたい)山と877メートルの女体(にょたい)山からなる双耳峰。日本百名山のなかで標高が最も低いものの、万葉集をはじめ、多くの詩歌に詠まれ、信仰の山としても崇敬されてきた。
首都圏からのアクセスの良さも魅力だ。今回はつくば駅前から「筑波山シャトルバス」に乗り、筑波山神社入口バス停で降りた。マイカーなら無料の市営筑波山麓神郡(かんごおり)駐車場から日本の道百選の「つくば道」を歩くのもおすすめ。のどかな田園風景の中、駐車場から筑波山神社まで45分ほどの散策を楽しめる。
二つの峰が見える筑波山。つくば道には瓦屋根の重厚な家屋が点在し、往時のにぎわいが感じられる
2024年10月、筑波山神社入口バス停前に誕生した無料の展望デッキ。標高約230メートルの地点からの眺めは、関東平野が間近に感じられる
筑波山神社は奈良時代の「常陸国(ひたちbのくに)風土記」にも記されている古社。まずは、重厚な造りの拝殿を参拝しよう。時間と体力の節約のため、近くの宮脇駅から筑波山ケーブルカーに乗った。筑波山頂駅まで高低差495メートルもの急勾配を8分で結ぶ。途中、トンネルがあるのもケーブルカーとしては珍しい。
夫婦神を祀る筑波山神社には縁結び、夫婦和合などのご神徳を求めて参拝者が訪れる
ケーブルカーでは例年6月いっぱいアジサイの競演が見ものだ(写真/筑波観光鉄道)
筑波山頂駅から男体山山頂へは300メートルほどの距離だが、岩場を登っていくスリリングな道だ。展望台がある山頂には伊弉諾尊(いざなぎのみこと)を祀(まつ)る男体山御本殿が立つ。関東平野の南側が一望でき、空気が澄んでいれば富士山や東京スカイツリーまで望める。
男体山山頂から御幸(みゆき)ヶ原(はら)を経て山頂連絡路を歩き、女体山山頂を目指す。筑波山頂駅がある御幸ヶ原でまず小腹を満たすのもいい。コマ展望台などの食事処が立ち並ぶ。この先はトイレや飲み物の自販機がないので、用はここで済ませておこう。
文/荒井浩幸 写真/青谷 慶
【低山と温泉へ】双耳峰から関東平野を一望 巨岩・奇岩巡りも迫力満点 筑波山<標高877m・歩行距離4.8キロ・歩行時間2時間40分>(2)へ続く(6/12公開)
【登山データ】
■交通 [鉄道]秋葉原駅からつくばエクスプレス快速で45分のつくば駅下車、駅前のつくばセンターで関東鉄道「筑波山シャトルバス」に乗り換え36分、筑波山神社入口下車、徒歩8分[ 車]常磐道土浦北ICから国道125号、県道14・42号経由18キロ(P有料あり、市営筑波山麓神郡駐車場へは土浦北ICから15キロ、P 無料)
■問い合わせ/TEL:029-883-1111(つくば市観光推進課)
アドバイス
舗道はなく、石や土、木の根などの自然道で急傾斜になっている所もあるので、登山靴かトレッキングシューズ、ストックを用意し、歩きやすい服装で。天候や疲労度によっては無理せず、女体山山頂から200メートルの女体山駅でロープウェイに乗り下山しよう。
※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2025年6月号)
(Web掲載:2025年6月11日)